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がん遺伝子検査の落とし穴 [JHM]

[ 2010/5/28 ]
診断、治療と一環した医療機関での実施が必須! 


がんに対する遺伝子検査、診断そして治療は世界最先端の医療技術といわれ、国内でも本格的な実用化をめざし研究が続けられている。
このいわゆるGeneTherapyを、すでに実践するクリニックもある。東京秋葉原に一昨年OPENしたUDXヒラハタクリニックである。

同クリニックでは検査、診断、治療を一環して受診できるクリニックとして知られ、検査ではより精度を高めつつ、診断後の遺伝子治療では治療薬の製剤の品質向上に力をいれている。

そんなクリニックには、遺伝子検査を望むがん患者が後を絶たない。
実はこんなケースもある。

3つの遺伝子が陽性とされたが良性腫瘍と判定された肺に2・5センチの腫瘍のある患者が、その後短期間で腫瘍が成長した。もちろんこの判定は同クリニックではない。
患者はヒラハタクリニックを訪れ、改めて施設内附属の遺伝子検査センターでがん遺伝子検査を実施したところ、陽性を示す遺伝子22個が見つかった。

現在、国内のクリニックでもがん遺伝子検査を導入する所が散見され始めている。しかし、がん遺伝子検査は最先端の繊細な検査といわれ、通常の血液検査などとは明らかにそのプロセスに違いがある。つまり得られた検査結果の判定にも慎重にならざるを得ない分野といえよう。
信頼できる検査技術が求められることは言うまでもない。
採取した血液から白血球やフリーDNAなど、必要な検体を取り出しPCRで遺伝子を増幅し、チップに流すという遺伝子検査の操作自体は、マニュアルさえあれば一定の技術をもつ検査の専門家であれば誰でもできる。しかし、実際の臨床で広く使用されていない。
この理由は何か?

本来「医療レベル」でがんの発現を遺伝子的に診るためには、数リットルの血液が必要とされる。なぜなら、がんの遺伝子的な変化は全身で均一に起きるわけではない。体内には異常な遺伝子をもつ細胞と正常な遺伝子をもつ細胞が混在しているためである。

しかし、臨床でのがん遺伝子検査は一般に数十ccの血液採取によって行なわれていることが多い。ヒラハタクリニックでも同様だ。
なぜ数十ccの血液で検査が可能になるのかというと、採取された血液から検体を採取したり、検査のために前処理を行う段階で「分子生物学レベル」の操作が行なわれているからだ。

遺伝子検査は世界最先端の研究分野であり、分子生物学の専門家であっても、これらの処理には高い技術が要求される。その上、特許などによってビジネスと直結しているため、公表された論文や特許情報などを読んでもノウハウの一部が巧妙に秘匿され、最先端の知識がなければその内容を正確に再現することすら難しいのである。
さらに導き出される結果についても、がん抑制遺伝子の異常や、がん遺伝子の発現、フリーDNAの長さ、メチル化の状態、RNAの濃度などから、「分子生物学」的な知識と、「医学」的な知識とを組み合わせて判断しなければならない。

単純に、陽性が多いからがん、陰性だからがんは発現していない、という判断はできない。海外から遺伝子検査の特許を買って、国内でそのプロトコルどおりに検査をやっても決して簡単にできるものではない。
こうした事情から、ヒラハタクリニックでは、インパクトファクターの高い分子生物学の雑誌に論文掲載できるレベルの専門家が操作にあたっている。その上、彼らは医師の資格ももっている。そうしたスタッフが確保できたからこそ、億単位の設備投資を行い、院内で遺伝子検査・治療を安全に行なうことが可能になったのだ。

がんという命に直結する疾病に対して最先端の検査精度をもつ遺伝子検査を実施するからこそ、検査に対する操作ミスによって結果を見誤ることは絶対にあってはならない。

◎JHMでは、UDXヒラハタクリニック平畑 徹幸MDはじめ、検査センターの医師らによる「OneDay トレーニング」を、医師向けに7月実施します。詳細は、5月中旬にお知らせします。


(JHM93号より)
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