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追跡 健康素材を追う②

[ 2008/1/30 ]

ウコン(ターメリック)の主要な機能性成分として知られているクルクミン、コンビにでもウコンの飲料などは手に入るが、欧米でアンチエイジング医療に活用されているクルクミンはウコン抽出物というよりも、より生成された医薬品グレードのもの、純粋なクルクミンに近いものが活用されている。日本には今まで流通していなかった高純度のものだ。
 この高純度クルクミンが日本でも流通を開始する。クルクミンとして70%、クルクミノイドとしては95%を含有する『高濃度クルクミン150』(販売元は㈱ヒデ)は、これから医療機関などを中心に販売が開始される。現在、販売元では、クリニックに対し、無料のサンプルの配布を開始する。
 ウコンとしては馴染みの素材だが、高純度品としては、まだ馴染みの薄いクルクミン、なぜ本紙が注目するのか解説してみたい。
 欧米のアンチエイジング医療では、高感度CRPや体内のアラキドン酸とEPAの比率、MDAなどを測定することで、微細な炎症状態を把握することが行なわれている。
 それに対し、サプリメントによって、抗炎症のアプローチが行なわれている。用いられているのは、クルクミンに加え、ω3のDHAやEPA、抗酸化ビタミンやNACなどである。ちなみにクルクミンは1日500〜1000mgが用いられている。ω3もグラムオーダーで用いられている。
 炎症のマーカーにはIL-6、IL-10、TNFαなど様々なものがあるが、そのメカニズムの中で、近年注目を集めているのがNF-κBという核内転写因子。この転写因子が体外からの異物に反応して活性化し、様々な炎症反応に必要な遺伝子を発現させていくという。炎症反応の開始と進行に必要不可欠な役割を果たしており、このNF-κBが過剰に活性化し免疫細胞が暴走すると、アレルギー疾患や炎症性疾患を発症することも報告されている。
 このNF-κBの活性化をクルクミンが抑制するという報告がある。炎症のメカニズムのごく初期段階で抑制するのが、クルクミンなのだ。クルクミンと一緒に用いられ、抗炎症作用が良く知られているω3系脂肪酸は、炎症反応ではより下流のプロスタグランジンE2の阻害作用でしかない。
 炎症をごく初期段階で沈静化する働きを、クルクミンは持っているのである。抗炎症のサプリメントとしては、メイン・ウェポンといっても過言ではない。

(JHM 第70号より)

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