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女性が女性なくなる不安に 福音もたらす新・治療術

[ 2014/2/18 ]
メスを使わない「膣の弛緩」治療機『Viveve』が悩み解決
産後女性が最も気にする膣のゆるみも、婦人科医に意外と打ち明けず



女性が女性でなくなる不安!それは女性でないとわからない。たとえば乳がん発症による乳房切除、子宮がん・子宮筋腫などから行われる子宮摘出また、場合によっては卵巣を摘出してしまう。こんな病いに遭遇した時その不安は限りなく高まる。そしてこのような重度の病気ではなくても同じように悩む場面があるという。膣の弛緩である。500名以上の産婦人科医師(米国)を対象にしたヒアリングで、とくに産後の女性が最も口にする身体的な変化が「膣の弛緩」であるという調査結果もあるほどだ。膣のしまりがなくなる(あるいはなくなったと感じる)女性ほど、性行中のオーガズムや性的満足感が減退するようだ。かといって、ほとんど女性は医師の前では話しづらい。打ち明けたとしても外科的な手術となると尻込みしてしまう。治療を受けたとしてもその後、産道となる膣内、膣口の伸縮がなくなり自然分娩の出産は難しい。いま、こうした多くの女性が抱える悩みに全く新しい治療アプローチが開発され、女性の不安に対して福音をもたらす治療法として注目を浴びる。

膣の弛緩はいうまでもなく膣内や膣口の粘膜の拡張によってもたらされるゆるみだ。その結果、膣組織が引き伸ばされコラーゲンが切断されてしまう。出産分娩がもたらす女性ゆえの宿命といっていい。また加齢に伴って更年期に入ると女性ホルモンが減少して膣壁の血管や細胞がやせ細り、それが膣のゆるみとなって現れるケースも少なくない。
膣縮小術をはじめ美容・婦人科形成で患者が押し寄せる東京の女性医師によれば「年と共に体中の筋肉がゆるんでいく。骨盤底筋群という膣や肛門周りの筋肉も例外ではありません。女性はとくに出産という大仕事をすることで、これらの筋肉だけでなく膣壁の緩みも生じさせます」と、膣の弛緩は女性にとっては深刻な悩みだと話す。

そして結果、さらに悩ましい症状と向かい合うことになる。子宮口や膣粘膜が膣の入口付近まで下りてきたり、入浴中に膣内にお湯が入り込んでしまう、という症状だ。時として、乾燥性膣炎やカンジダ性膣炎へと発症することも少なくない。膣炎は膣内部の痛みが生じるため、激しい性行痛を感じるから始末に悪い。

もちろん膣の弛緩は、性的満足度の低下をもたらすことはいうまでもない。
女性が女性でなくなる不安〜重度な病気でないといえ膣のゆるみは女性にとって決して侮れない。大きな不安をもたらすからだ。

事実、調査によればアメリカでは2人に一人、日本では3人に一人が膣の弛緩を実感しており、女性の身体的変化による悩みの中でも、他のを圧倒する(割合が高い体重の増加や尿もれに比べても高く88%。統計値は医師による診断)。とはいえ先述のとおり、その悩みを打ち明ける女性は少ないという。日本では婦人科医にさえ相談することが稀で、6割を超える女性が相談相手を誰ももたない。

一方、この悩みから膣縮小の施術を受けた患者の多くが、パートナーに効果を認められた、性的満足度が向上したなど改善に対する満足度は高い。

さて日本では欧米に比べ、女性器に対する治療は限りなく後ろめたさが伴う。婦人科でさえ行かない患者がやむにやまれずカウンセリングに向かう先、それが美容形成の婦人科形成で、担当医は女性であることが多い。ネット検索のキーワードが「女性器」「更年期」「膣のゆるみ」と上位に来るため、おのずと美容形成クリニックに行き着くようだ。 
そしてカウンセリングの末に治療の選択肢になるのが、外科的な手術かケーゲル体操などのトレーニング指導しかない。クリニックによってはまれにフィラー注入を勧めるところもある。外科的な手術は経験とスキルの高さが求まられるため、婦人科や美容形成医の誰もができるわけではない。治療費用もかさみ、局麻での手術といっても術後の痛みやダウンタイムは避けられない。術後の傷の瘢痕化というリスクもあり、何より、その後の自然分娩による出産は難しいといわれる。
骨盤底の筋力を鍛える体操も、膣のゆるみを改善する効果は低いという。

 こうした中、アメリカで医療用に開発されたViveve社のメスを使わない膣弛緩のための治療機『Viveve(ビビーブ)』(国内取扱い/チャールズ・ラボラトリーズ)がカナダそして日本に紹介され、新しい膣縮小治療機として話題を集めている。昨年から日本では美容形成や婦人科クリニックに導入が始まっており、膣のゆるみを抱えた女性の不安に対して福音をもたらす治療法とし医師の間でも評価は高まっている。
同機の原理はモノポーラ高周波(RF)エネルギーで、膣の粘膜組織下に照射して新たなコラーゲン精製を促すもので、顔のタイトニング治療マシンとして知られるサーマクールの理論と原理を膣縮小に応用したといっていい。『Viveve』(CE取得済み)の開発にはサーマクールを生みだした技術者が関わっていることから、この治療機の精度の確かさと有効性、安全性には疑いはない。
いうまでもなくRFの深達すから膣の組織が別に反応して組織内にコラーゲン繊維を増殖させていくメカニズムはサーマクールのそれと変わらない。ただこの治療では、90j/cm2のRFエネルギーを使い、膣の粘膜下3〜5mmの深度にRFを照射することになる。本体には冷却機能が一体化され、制御された冷却システムにより『Viveve』のチップが当たる部分の粘膜表皮を冷却しながら施術部位の粘膜深部を加熱していく。こうした施術によってコラーゲンの修復プロセスは術後1か月〜3か月で進むという。 
膣粘膜におけるコラーゲン生成は個人差もあり、また年齢によっても違うが、早ければ1か月で効果をモタスケースもあるという。
施術時間は30分と短い。術野である膣経口に対して、尿道を避けた膣粘膜に、時計回りで20回照射していき、それを5回繰り返すというもの。照射時間は制御されフットスイッチを踏む間、照射音が鳴り続け、自動的に鳴りやみ出力は止まるから至って安全にまた安心して施術を行うことができる。施術では麻酔は一切使わず痛みもない。施術は半年か一年に一回で膣の状態が保たれるという。もちろん出産も可能だ。
施術後もちろん、患者はそのまま帰宅できすぐに日常生活に戻れることはいうに及ばない。
Viveve社では治療後の膣の粘膜下の線維芽組織、肉芽組織、コラーゲンの再生成の活性化を確認している。

また動物実験では羊による安全性試験を行い、RFトリトメントによる安全性を確認している。さらに、アメリカで24人の女性(米国では60J/cm2、75J/cm2、90J/cm2の3つの照射エネルギー別に被験者群を分けている)、日本でも30人の女性に対して臨床試験を実施し、日米共、1回の施術後12か月の経過観察をしたところ、100%の患者に膣弛緩の改善が認められた。報告ではとくに重篤な有害事象も認められていない。
Viveve社では現在、カナダでの臨床トライアル試験を継続中で、その結果報告に関心がもたれている。試験では更年期症状を呈する経産婦を被験者に選び、ホルモン補充療法を受けている女性に対して、Viveveで膣の弛緩をどの程度改善できるか明らかにしていくもの。加齢に伴って更年期に入ると女性ホルモンが減少して膣壁の血管や細胞がやせ細り、それが膣のゆるみを生じることは先述のとおりだ。
ホルモン補充を受けていても膣の弛緩が治まらない女性に、Viveveによって改善をみれば、多くの更年期に悩む女性たちの朗報になることは間違いない。

◎関心のあるドクターは本紙JHM編集部☎03-6222-3121に連絡頂くかViveve             公式サイトに一度アクセスして頂きたい。

(JHM116号より)
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