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JHM潜入覆面ルポ「流行る美容アンチエイジングクリニックに迫る」

[ 2016/11/29 ]
医療脱毛分野において新たな理論に注目が集まっている。医療脱毛と言えば、毛根の根元にある毛乳頭や毛母細胞をレーザーによって破壊することによって永久脱毛を可能と理論が一般的で、この理論を基にして開発された各種レーザーを医療機関に導入するという流れが中心だった。しかしここに来て、毛乳頭や毛母細胞ではなくバルジ領域にある幹細胞を破壊することで永久脱毛が可能だという理論に、熱い視線が集まっている。今回は実際にバルジ領域を破壊する理論を元に医療脱毛を行っている都内最安値と思われる脱毛クリニックに弊紙編集部スタッフが美容ユーザーの一人の患者としてカウンセリングに行った。


バルジ領域自体は2000年頃に発見されており、この領域を狙った医療レーザーは蓄熱式と言われ、毛根部分ではなくバルジ領域という細胞を生み出す幹細胞部分を照射ターゲットとしており、この領域から生成される発毛因子を破壊することで、毛母細胞を根本から除去するという理論に基づいている。またバルジ領域は毛根とは関係ないため、毛周期に関係なく脱毛が可能と言われている。これらの蓄熱式レーザーは10年ほど前から複数のメーカーが発売を行っているが、いずれもあまり定着せずに既存のアレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーに戻るケースがほとんどだった。その理由は、蓄熱式の場合、痛みが強い、効果が弱い、またエビデンスが少ないなどが挙げられるだろう。しかし今回登場した新しい蓄熱式レーザーは、これらのデメリットを改善し、痛みもなくしっかりと脱毛を行うことができると話題になっている。さらに本体価格がリーズナブルなため、治療料金を比較的安価にしやすい点も、集患に繋がる嬉しい点だ。大手含め、既に多くの脱毛クリニック、美容医療クリニックでも取り入れられている蓄電式医療レーザー、今回は都内最安値であろうクリニックへ訪問してみた。
クリニック激戦区の1つであるエリアで脱毛専門クリニックとしてオープンしているAクリニックは、すでに取材時には翌月までも土日はほぼ予約で埋まっているという人気ぶりだった。実際に訪れた際も、20代前後と思われる若い女性がひっきりなしにカウンセリング、施術にやってきた。カウンセリングでは脱毛の基本や蓄電式レーザーの特徴や実績について、また料金プランと注意事項について等を看護師の女性が丁寧に説明をしてくれた。
通常の一般的なレーザーと異なりマイルドな照射が特徴の蓄電式レーザーでは、幹細胞を照射ターゲットとした最新の脱毛理論を採用しており、毛乳頭をターゲットとしないため毛周期に関係なく照射ができる点が特徴とのこと。また照射温度が65℃程度のため火傷等のリスクも少なく、日焼け肌や産毛にも反応するなど様々なメリットがあるそうだ。
毛周期に関係ないのであれば、うまく予約さえ取れれば1、2か月でも完全に脱毛できるのでは?とも思ったがそうではないらしく、やはりしっかり永久脱毛をするためには1ヵ月~2ヵ月程度の間隔をあけて5回程の照射が必要とのこと。Aクリニックの場合は契約期間が2年間のため、この中で5回治療を行う必要があるようだった。
また、蓄電式レーザーはエビデンスが不足していることを心配するケースも多いためその点について確認をすると、すでに大手クリニック含めて他院でも実績が多数あり、またエビデンスも最近の学会で発表されているためその点は問題ないとのこと。
脱毛効果はもちろん、痛みやエビデンスの面など含めて、蓄電式レーザーを取り巻く環境は数年前とはかなり変わってきたと実感した。
さらに、この新しい医療脱毛の流れを受け、他大手レーザー機器メーカーも蓄熱式レーザーの開発・販売を開始している。大手レーザーメーカーでは、日本初のアレキサンドライトレーザーによる蓄熱式脱毛レーザーを発売。既存のアレキサンドライトレーザーを使用していたクリニックからも、「効果に実績があるアレキなら…」と、新たに蓄熱式の導入を前向きに検討するケースも出てきている。 
蓄熱式という新しい手法に対して、古参の脱毛レーザーメーカーも挑みをかける。すでに価格競争が激化している医療脱毛業界が、さらに複雑な流れになっていきそうだ。
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