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化学物質などの毒素ががん、糖尿病など慢性病などの新たな原因

[ 2016/11/29 ]
7月27日から30日まで米国ユタ州のソルトレイクシティのホテルスノーバードリゾートで2016年の自然療法医の米国自然療法医学会が開かれた。自然療法はサプリメントやハーブ、食事療法など自然な治療法を使って病気の治療に当たる医師の学会で、統合医療分野の中心的な存在となっている。 今回の会議では内分泌、小児科、女性の健康、がんなどのセッションが開かれ、3日間にわたって最新の研究が明らかにされた。なかでも環境を汚染している化学物質などが私たちの病気の原因になっていることをしてきたジョセフ・ピッツァーノ博士の講演「今、主要な慢性病を引き起こす毒素」が注目された。

これによると、過去50年間に慢性病は年齢を重ねることで発病率を増すといわれてきた。この原因は食事とライフスタイルだとされてきたが、これらの病気の主な原因に我々の身体がある種の毒に曝されることが新たに付け加えられていている。食物、大気、水などを通じて、金属、化学物質、残留有機汚染物質が我々の身体に入り込み、影響を及ぼすようになっている。順番は博士が独特の計算式から割り出したもので、問題のある順に8つ挙げている。
このうちヒ素は農薬、DDTは有機塩素系の殺虫剤や農薬として使われてきた。日本では1971年から使われなくなったが、長く土壌や水に残り残留農薬として食物を介して人の身体に入ってくる。フタル酸塩は可塑剤という合成樹脂を柔らかくするなどの用途で使われている化学物質。PBDEsはポリ臭化ジエニールエーテルのことで、PCBsなどに似た物質で、燃えにくいのでプラスティック製品、家電製品、建材、線などに使われてきた。PAHsは多環芳香族炭化水素のことで、油、石炭、化石燃料、バイオマスの燃料の燃えたときの副産物で、焼き肉のように加熱処理した食べ物に見られる。
PCBsは言わずと知れたポリ塩化ビフェニールのことで、環境ホルモンの代表格だ。家電製品の絶縁液、可塑剤、塗料などに使われてきた。水銀は農薬、鉛は鉛筆の語源であり、銃弾、クリスタらガラス、陶磁器など様々なものに使われてきた。
こうした毒素が水や鶏肉、米などから知らないうちに私たちの身体の中に入り込むことで慢性病を引き起こしているという。
博士によると、これらを引き起こす源の70%が食品、10%が水、10%が家庭や庭で使われている化学物質、あとは5%が空気、5%が美容品などだそうだ。
ただし毒性が体外に出て行って半分になる時期を「半減期」というが、比較的短期間で体外に排泄されるヒ素で2日から4日、長いカドミウムで16年といわれる。
シアトルの子供たちを対象にした研究ではPOPs(残留有機汚染物質)が10倍に増えると子供たちのADHD(注意欠陥多動性障害)に罹る割合が2倍に跳ね上がるということが報告されている。ところが、このPOPsの値は有機栽培の食品だけを3日食べるだけも低下することが分かっている。
魚はDHAやEPAというオメガ3脂肪酸を含んでいるが、水銀を多く含むことで知られている。研究では食べる量が増えるに従って血液中にも尿中にも増えることが分かっている。慢性病に罹らないためにはこうした毒をいかに減らすか工夫する必要がありそうだ。
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