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フォーラム講演 その一 第7回JAAS東京LiveForumから

[ 2016/11/29 ]
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会の「第7回東京ライブフォーラム」(9月25日、26日品川インターシティホール)は、盛況のうちに幕を閉じた。本稿では、第7回ライブフォーラムでの講演の中から、とくに話題をさらった発表をダイジェストで紹介してみたい。その一として「ヒアルロン酸注入のトレンドと優位性」(あきこクリニック 田中 亜希子院長)と再生医療セッション(CELL BANK CEO 北條 元治医師)をピックアップしてみた。



(以下、ダイジェストで発表要旨を報告するが、演者の発言をもとに語り口調として再現するが、口語調を文章にするため多少の修正があることをお許し願いたい)
プチ整形が中心となった現在の美容医療において、最も知名度が高くオーソドックスな治療ともいえるのはヒアルロン酸による注入術だろう。人気ゆえ、多くのクリニックで導入している治療法ではあるが、使用する製剤や注入法はクリニックによって様々だ。フォーラムでは、ヒアルロン酸注入の技術に長けており、患者からの高い満足度とリピート率を誇る田中医師に、ヒアルロン酸注入における特徴やトレンドについて講義をいただいた。 もともとヒアルロン酸はしわを隠すための注入術として人気を得たが、その後次第に使用方法は変化し、しわに限らず顔の様々なへこみやしわを全部埋めるボリューマイジングとして使われ、そして現在は、顔の様々な部位に少しずつ注入することでトータルエイジング治療として利用されることが多い。
ヒアルロン酸の人気が上昇するにつれメーカーも増加し、現在ではレスチレインに始まりジュビダームビスタウルトラプラスXC、テオシアル、リデンシティⅡ、スタイレージリップス、モデリスなど様々なメーカーが製造している。当院では現在、部位や注入方法にあわせて6種類のヒアルロン酸を使い分けている。
例えば額。丸みを帯びた額は女性らしさを表す大事なポイントであり、さらにこの部位へ注入するとリフトアップ効果もあるため、注入を希望する患者は比較的多いという。額にはモデリスを使用しており、上眼窩神経ブロックとカニューレ入り口に局所麻酔をした上で25Gカニューレ針で前頭筋下に注入する。術後はしっかりマッサージを行うと同時に、患者にも注入後1週間ほどはマッサージを推奨しているという。なお寝ている状態でよい加減だと思っても、座位にした際に眉とのバランスが悪くなるケースもあるため、必ず起き上がって注入後の様子を確認することが必要です。
その他、法令線やこめかみへはジュビダームビスタウルトラプラスXCを、くぼみ目や目の下への注入、細かいシワにはテオシアルリデンシティⅡ、鼻・顎への注入には高さがしっかり出るクレビエルコントゥアーなど部位の特性にあわせ、使用するヒアルロン酸を細かく分類し最大限の効果を出している。また、患者さんの希望部位に注入するだけではなく、診察の際に顔全体の状態を確認し、ヒアルロン酸を注入することで改善できる部位を一通り伝えるという。こうすることで当初の希望部位が終わった後にもリピートに繋がるケースが多い。また、頬骨上・下に0.5㏄だけ注入すると顔全体にエイジング効果をもたらすことができるなど、患者が想像していなかった部位への注入で劇的な効果を出すことで、更なる信頼性の確保、リピート率向上へと繋げている。
昨年11月、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が1年の執行猶予を経て施行された。これによって再生医療は、「分離・培養で加工した細胞を用いた医療」として明確に定義され、今までグレーだった部分も含めて、それらが再生医療か否かという点がはっきりしたことになる。「規制があるところにチャンスがある」と話すのは北条医師だ。
現在日本では、再生医療はアベノミクスによる成長戦略の一環として今後の実用化が期待されており、冒頭の再生医療等の安全性の確保等に関する法律の他、再生医療推進法、薬機法などによって、国民が迅速かつ安全に再生医療を受けられるように総合的に法律が整備されてきている。特に再生医療等の安全性の確保等に関する法律は、医業のひとつである再生医療を「許認可制」とすることで、産業として大きく成長できるように規制をかけている他にはない特殊な法律であろう。
だが逆を言えば、細胞加工を外部に委託することで医療機関は細胞を作る工程を経ずに再生医療を取り込むことも可能であり、このチャンスを活用することで医療機関は新たなチャンスを得ることもできるといえよう。 2012年に90億円規模であった再生医療市場を2020年に950億円に、そして2050年には2.5兆円規模の市場へ拡大する予測を立て、またそれに向けて様々な法整備を行っている。美容目的の再生医療としては、多血小板血漿(第3種再生医療)、真皮線維芽細胞(第2種)、脂肪由来間葉系細胞(第2種)などが挙げられるが、この中でも特に真皮繊維芽細胞を利用した肌再生術はアンチエイジング治療を行う美容クリニックにとって導入しやすい分野であろう。
セルバンク社が行っている真皮繊維芽細胞を用いた美容向けの再生医療は国内外でエビデンスもあるため、信頼性も高い。自院だけでは再生医療の申請等を行うとかなり大変であるが、医療機関における再生医療事業導入をサポートするために、細胞加工物の製造、保管、各種申請事務などの代行をセルバンク社で無償で行っている。 弊社は、黎明期の2003年から再生医療技術支援を開始し、現在は東京中央区勝どきに大規模CPC(Cell Processing Central-plant)を設置し特定細胞加工物製造業者として細胞加工を受託している。医療機関が再生医療を提供するために用意しなければいけない技術的・法律的・運営上のハードルを全て代行・サポートを行っている。
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