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AQUA製剤、新たな事実明らかに

[ 2016/5/17 ]
JAASアカデミー主催「親水性ゲル・インプラントAQUA LIFTによる豊胸術フィラー注入」ライブ講習会が2月末開催された。今までのフィラー製剤にはない、触感(脂肪様)によって自然なバストに仕上がり、持続力はヒアルロン酸の5倍以上、施術後の傷跡もなく短いダウンタイム、そして修正も可能となるなど話題も高く、募集定員を大幅に上回る参加(20人超)を得た。午前講義では来日した製剤開発製造社National Medical technologies Center代表に加え、施術指導医のRomital美容形成センター院長・Oleg Kopievskiy医師(共に日露逐次通訳)から、ゲル製剤の開発経緯と有効性、安全性さらには豊胸の施術手技を動画を交えて解説していった。豊洲佐藤クリニックに移して行われたライブ供覧では直視、モニター組と交互に2班に分かれて2症例を供覧した。参加医師にとっては当初、告知していた製剤の特長とは異をことにしていたことから改めて開発会社及びOLEG医師からゲル製剤の成分、PH、レシピーと主成分の化学反応プロセスそして注入後における吸収性と修正の際のリカバー法、仕上がり、触感、持続力などが投げかけられ、「類似製剤による多くのデマ、疑惑に対する誤解と誤認」が払しょくされ、参加者にとってはかえってこのライブ講習会から得られた新たな知見を持ち帰ったといっていい。



 会場となった晴海グランドホテルでの講義はまず、製造開発会社National Medical technologies Center代表のIvan Zavgorodni氏から親水性ゲル・インプラントAQUA LIFTの開発経緯とその特長が述べられた。同氏は高分子化学の専門家ということから、98%水分に2%のゲル製剤をどのように処方して製剤化していったかを解説したが、化学反応の基礎知識として、主成分であるポリアクリルアミド(polyacrylamide)はアクリルアミドが溶融過程から重合反応を起こし高分子化合物であるポリアクリルアミドに変化するため、一部で発がん性などが指摘されるアクリルアミドではないこと。つまり本製剤は極めて安全性が高く、開発から25年を経て欧州を中心に28000人の臨床知見(乳房発育不全、豊胸、左右非対称の補正、下垂の修正など)からも術後経過に全くトラブルはないと強調した。 (*受講者からのアクアフィリングとの差異についての質疑に対してPH調整などの違いはあるものの同じポリアクリルアミドであると答えた)
 また本製剤はすでに十数か国に及ぶ欧州の医薬品製造物認可であるCEマークを取得していること、さらに韓国KFDAからも認可されていることを明らかにした。会場からの質問に答え、「AQUALIFTは化学構造の特性上、乳房内に注入後カプセルは吸収されない。また乳房内に形成されたポリアクリルアミドのカプセルに対して生食を注入し柔らかくしてから吸引しさえすればから修正は可能である」と回答。さらにゲルの移動、炎症、断片化湿潤もないため安全性を担保できるとした。  一方、吸収されるから安全?されないことが有害事象を引き起こすのか?という会場内からの疑問について、Ivan Zavgorodni氏からは、ゲル製剤がカプセルの形成によってインプラント形状として安全に持続的に保たれることは、他のフィラー製剤注入で短期でなくなってしまうことに比べれば、豊胸施術を受ける患者にとっては魅力的なはずだと力説した。ディスカッションはさらに白熱する。  アクアフィリングとの対比であることはいうに及ばない。「ではアクアフィリングは吸収されるのか?されないのか?製剤内容の違いは?」との問いかけに、「他のブランドについて弊社が発言することは控えたい。ただ事実としてその源流は弊社の工場から分派した末に製造されたことは間違いない」とした。  また最大の論点となったのが韓国そして中国での肉芽腫形成をもたらした症例だ。こうしたトラブル症例について、「AQUALIFTではない。パイオニアとして25年前に開発製造した弊社製剤の類似品が数多く出回ってきたことは承知しており、製剤レシピーの違いから起こっていることは間違いない。弊社の製造プロセスのノウハウは一切明かしておらず、以前中国品などでリパックして製剤内容を変更したこともあり、現在のAQUALIFTの製剤パウチではバーコード管理を徹底している」と答えた。  AQUALIFTの日本側のテクニカル医師である中間 健医師からは「10年以上前、類似品のアメージングジェルなるものが出回ったことは記憶にあり、トラブルを抱えたことも知っている。そもそもポリアクリルアミド化合物はソフトコンタクトレンズの基材でもあり生体親和性も良い。ある意味だからこそ安全だからコンタクトレンズに使われている証左ではないだろうか?」とコメントした。  続いて講義に入ったOleg Kopievskiy医師からは施術動画を使って解説がされ、術前の準備、処置、術中の注入のポイント(綺麗なカプセル形成をさせるかは乳腺を触らずにいかに同じレイヤーに入れていくか)などわかりやすく述べられた(参加医師全員にOLEG医師の施術動画を収録したDVDが配布された)。 昼食後、晴海グランドホテルをあとにして送迎車で分乗して、豊洲佐藤クリニックに移る。 術者の同クリニック院長・佐藤 政広医師(日本乳がん学会認定医、マンモグラフィ読影認定医)が2症例の豊胸の施術を行ったが、指導にはオレグ医師が立ち会ったことは言うまでもない。モデルは事前のカウンセリングと検査を行っている。 ライブでは佐藤医師からは乳腺下に一定のレイヤーで注入していったがこの際、注意しなければならない豊胸手術における拘縮について注入のポイントを佐藤医師とオレグ医師とのディスカッションで検証した。二人の患者には左右バストに50ccづつ注入した。(詳しいライブレポートは講習会の性格上控えさせていただく) なお、ライブが終わり後日、製剤に関わる追加知見を得るため、日本窓口であるIMPORT MEDICAL JAPANが追跡しており、 韓国ですでに100症例の施術を行い、アクアリフトのみならずアクアフィリングでの施術も行うソウル江南ビューティークリニックのキム・ガンジン医師から回答が寄せれている。
 本質疑回答では、日・ハングル語でバイリンガルの中間医師を通じて行われた。 参考までに列記しておきたい。
1)アクアフィリングはアクアリフト製造会社から分派したこと。 2)共にCE認可工場で、アクアリフトはポーランド、アクアフィリングはチェコで製造されている。 3)主成分をモノマーから重合する製造プロセスは化学者など専門家が必要であり、アメイジングジェルや他の類似製剤はこうした製造技術が劣り、劣悪な製造環境で製造されているため、問題を起こした。 4)製剤に加え、施術のテクニックの良し悪しも重要で、ヒアルロン酸注入などに比べ最新の注意が必要。 6)KFDAに申請しているアクアフィリングも成分名はポリアクリルアミドである。 5)製剤が全く吸収されないということではなく、5年後に徐々に大食細胞のメタボリズム過程を通じて分解され、排出されていく。 このエビンデンスはある。
◎JAASアカデミーでは4月10日、キム医師を招き「親水性ゲル・インプラントAQUA LIFTによる豊胸術フィラー注入」ライブ講習会を行う。
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