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PRP申請では数か所が厚生局に登録、審査終わる

[ 2015/5/20 ]

「11施設に対して第3種の申請がおりた」。4月初旬に開催されたJAASアカデミー第4回幹細胞(SVF)若返り術ライブ講習会で、指導医の中間医師から講義冒頭、こう報告された。示された医療施設は、幹細胞以外の細胞加工物に該当するリンパ球活性化療法を実施するところで、(抽出後薬剤などで調整し戻す)培養操作には当たらない再生療法でなおかつ、『細胞もしくはその技術が、再生医療を受ける患者の再生医療の対象となる部位の細胞と同様の機能をもつ細胞の投与方法』とされる相同利用の範ちゅうとなることで、第3種分類となった。自らも培養施設を併設した幹細胞による再生医療クリニックを開業する中間医師、すでに「第2種分類でしかるべき特定認定再生医療等委員会に対し申請、審査を終え、厚労相に提出した」として推移を見守るが、第2種分類での認可は大学系の1~2か所ほどだと説明した。一方で受講医師らからは「第3種分類とされたPRP」についての質問が飛び交い、所定の手続きで全く問題なく申請は受理されるとして、「まずは5月中旬までに施設登録をクリニックがある管轄の厚生局に済ませる」ことを中間医師から呼びかけた。講義ではこの後、ステムセラピーの概要と症例報告さらには培養せず有用なSVFを分離抽出できる方法、幹細胞の生着率を高めるScaffold(足場)の具体的な作成法などが述べられ、午後、場所を東京皮膚科・形成外科に移し、皮膚再生と豊胸術がライブで供覧された。

すでに「第2種分類でしかるべき特定認定再生医療等委員会に対し申請、審査を終え、厚労相に提出した」として推移を見守るが、第2種分類での認可は大学系の1~2か所ほどだ、と差説明され、そして講義の冒頭、「リンパ球活性化療法を実施する11施設に対して第3種の申請がおりた」と、報告された。 4月初旬に開催されたJAASアカデミー第4回幹細胞(SVF)若返り術ライブ講習会での、指導医・中間医師からの発言であることはいうまでもない。

再生医療新法に関わる2法「安全性確保法案」と「改正薬事法」は、03年11月20日の参議院本会議で可決成立し同27日に公布されたが、昨年11月27日に運用ガイドラインも正式に定められ施行された。 周知のとおり再生医療のリスクに応じた三段階の提供基準と治療計画の届け出などの手続き、さらには細胞培養加工施設の基準、許可などについても盛り込まれた。これによりiPS細胞や体性幹細胞などの細胞加工物を用いた再生医療を実施する医療機関に対しては、ガイドラインに準じた治療をしているかどうかを第三者機関が審査し、厚労相に再生医療提供計画書の提出を義務付けることになった。

再生医療を目的として細胞治療をリスクに応じて第1種、第2種、第3種と分類し、レベルに相応した審査と実施手続きが進められており、iPS細胞はいうまでもなくES細胞、体性幹細胞、培養表皮、軟骨さらにはリンパ球活性化療法や樹状細胞療法などその対象範囲は広い。このうち、リンパ球活性化療法や樹状細胞などは第3種に、さらにPRPなど美容医療で多用される再生医療技術は相同利用(厚労省課長通知 省令第3条第4号)であれば同じように第3種のリスクに分類され、厳しい審査が課せられる第2種への分類から免れた。また幹細胞については培養細胞を用いた「治療目的」の再生医療については第2種に組み込まれたが、培養を用いない幹細胞で「美容分野」での治療は予想どおり第3種のカテゴリーにおさまった。  手続きは、1年の猶予期間が与えられ今年11月25日に完全施行され猶予期間は1年間あるが、講義の中で中間医師は「PRP療法を続けるクリニックからの施設登録を5月中旬くらいまでに厚生局に届け出することが望ましい」として申請書類・様式27他四枚の書式を提出するように述べた。 また、「届出を怠って、第3種の当該再生医療行為を行った場合は、3年以下の懲役か300万円以下の罰金または併科が課せられる」ことも受講医師らに言及した。 一方、第1種2種で義務付けられる審査申請機関である「特定認定再生医療等委員会」の委員には高度な審査能力や第三者性をもつものとなっており、第1第2種に分類される再生医療は厳しい審査基準を課せられるため、認可されにくい。

しかしPRPなど第3種の「認定再生医療等委員会」はその委員や審査基準も緩やかで、クリニックの開設者いわば理事長、院長が独自に施設内に委員会をつくり、申請および審査を行ことが可能だ。 この点に関して「自前で委員会の構成人員をつくるより、すでにPRPの申請のために組織された外部の認定委員会に委託した方が賢い」と中間医師は投げかけた(*すでに数か所のクリニックがPRP申請のためにこの外部認定委員会を通じて厚生局に申請、いくつかの施設は申請がおりたようだ)。 再生医療の新法で講義の多くの時間を割いた中間医師からは「申請、手続きを踏んで堂々と治療、施術をしていくことでかえって幹細胞、PRPの美容医療技術に対する信頼性が増すはず。今回の規制はかえって追い風になることは間違いない」と断言。講義後半の幹細胞(SVF)療法の概要と症例報告さらには培養せず有用なSVFを分離抽出できる方法、幹細胞の生着率を高めるScaffold(足場)の具体的な作成法へとレクチャーは続いた。

午後の部は、場所を東京皮膚科・形成外科銀座院に場所を移し、池田 欣生院長の協力も得て、ライブ供覧に入った。 SVFを得るための脂肪細胞は200㏄(皮膚再生のみであれば100ccの脂肪細胞で充分)を腹部から吸引し、それを遠心分離して最低限のSVFを取り出していく。 前回ライブで使った3種カクテル(SVF、PRP、特殊Scaffold製剤)とは違い、今回のSkin Rejuvenation編では、SVF、分離した脂肪細胞そしてヒアルロン酸を眼窩周辺と頬に使い分けながら行い注入していった(講習会の性格上、詳細は控えさせていただく)。 また豊胸では、〝カクテル〟の配合を変え注入していった(講習会の性格上、詳細は控えさせていただく)。

ここでポイントとして中間医師が強調したのは「脂肪細胞の注入量と皮膚表皮からどのくらいの深度で注入していくか?」ということで、受講者からは実践をするうえで最も知りたい内容だったと術中に真剣にメモを取る光景がみられた。 (幹細胞の分離抽出、純度の高いSVFの作成法、吸引時の注意点、注入法など、まだまだ詳細な説明が講義とライブ実演を通して行われたが、講習会の性格上控えさせていただく)。

 ライブ終了後、中間医師から修了認定証が授与され講習会は閉会したが、受講者からはライブで使用したSVF(脂肪細胞も同時に分離)分離抽出装置「CID-300」に対して高い関心が寄せられ、個別に中間医師を囲んで導入プランを相談するドクターもいた。

 

(JHM126号より)

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