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一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

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総勢23名集い疑似手術を体験

[ 2015/1/9 ]

第15回美容外科解剖・執刀トレーニング終わる
山本・中間・Choi医師3人が指導

解剖実習というよりも『手術シミュレーション実習』



JAASアカデミー(後援JAAS)による第15回美容外科解剖・執刀トレーニング(Fresh Cadaver Dissection Workshop for Cosmetic Plastic Surgeons in China)が先ごろ成功裏に終了した。過去十数回にわたって実施してきた提携拠点・中国大連HoffenBio解剖施設(大連大医学部の提携)から提供された寄贈検体(FreshCadaver)は、アカデミーからの強い要望もあり、今回もその保存状態は際立っていた。
そして何よりも治療・執刀トレーニングの手順において、指導医の山本 豊医師、中間 健医師さらには韓国からChoi医師を招いての3人が、丁寧できめ細かい教え方と「料理教室」さながらの研修スタイルを貫いていることに讃嘆の声があがった。現実の患者を触ることなくして手術習得はない、手術を体験せずして前進はない。本アカデミーでとくに大事にしていることである。しかし、現実的には患者に対して実習のように試すことはできない。臨床に携わる医師のこんなジレンマから生まれたのが、本シリーズだ。寄贈されたご遺体に対して参加者が講師と同時進行で手術を実体験していく。解剖組織の観察に始まり、それぞれの治療部位ごとに、多彩な執刀手技を学んでいくスタイルは、他の解剖研修では決して真似ることはできない。講師の指導医が実演後、参加者に同じことをすぐ執刀・施術してやってもらい、問題があればその場で解決する。ある意味、解剖実習というよりも『手術シミュレーショントレーニング』という方が的を得ているかもしれない。

「日常手術で必要なのは、術野であり、局所解剖である。また、手術で合併症を引き起こす神経、血管等の位置に習熟する必要性もあることはいうまでもない」
山本美容整形塾の塾長であり、同塾の集大成を兼ねた本解剖・執刀シリーズの主任講師を務める山本医師は力説する。

寄贈検体は状態よく
鮮明な動脈の脈管着色からフィラー注入後の血管圧迫もリアルに観察!

一方デザインさえも、実際に検証するという機会には、なかなか恵まれないというのが現状だ。このデザインから始まり手術の実際を検証することに欠かせないのが、さながら生きているかのような寄贈されたご遺体である。このご遺体こそ主催側が最も苦労する問題だが、JAASアアカデミーが十数回にわたり実習を行い多くの医師や歯科医をミッション団として送ってきた経験と信頼から、大連大(医)解剖学の提携解剖施設であるHoffen側も最高の状態の検体を提供し続ける。現在、Hoffenと提携する日本の窓口はJAASアカデミーであることは言うに及ばない。
最近ではハワイ、グアムなどに解剖実習を行うケースもあるが寄贈される検体もアジア人とは違う顔面骨格をもつご遺体であるため、日本の医師が研修をするには不向きであることは否めない。さらに、ともすると実習のやり方が講師の独りよがりになってしまい、とりわけ初級者にとってトレーニングが「消化不良」になってしまうミッションも少なくない。そんな欠点をカバーしながらの研修スタイルを貫いていることが本ミッションの最大の特長であることは前述のとおりだ。




JAASアカデミーならではの解剖・執刀トレーニングとして今年も第15回を数え、参加した医師らはこの実習コースで大いなる財産を築き上げたことは疑いはない。
15回目を迎えた今年のミッションでは、事前に参加者の希望をアンケートすることから始まった。受講者によって解剖実習に対する要望や目的が大きく異なる可能性があり、そのニーズに最大限応えたいというのがその趣旨である。さらに参加医師が23名という大人数であったこともあり、講師は山本医師と中間 健医師(アカデミー副学長)の他に、韓国からDr.Choiを迎え、3人体制で行うこととした。
とくに眼瞼解剖に対する関心、要望が強かったため、Dr.Choiには、講義のみならず、解剖実習当日の実演、細かい技術指導にも当たっていただいた。

前日の講義では、山本医師より眼瞼手術、鼻形成手術、リフト手術全般に及ぶデザインや解剖、ブロック麻酔時の指標などについて細かく講義が行われたが、この1年間で山本講師が経験したことでのトラブルも紹介したことが、受講者の関心を引いたようだった。
続いてDr.Choiより眼瞼手術、特に眼瞼下垂の手術を行う場合の実際、ピットホールについての説明や片側眼瞼下垂の術前診断等“日常診察に役立つ”内容が満載であった。また、山本医師よりリクエストを受け、lateral tarsal stripについての詳細な講義も役立ったのではないだろうか。他に眼科医ならではのトラブル対処法等内容の濃いものとなっていた。

そして翌日の解剖・執刀トレーニングへと進む。
寄贈献体であるご遺体の状態も非常によく、動脈の脈管着色が鮮明であったため、ヒアルロン酸注入による血管の圧迫の様子もリアルに観察することが可能であった。実習は、各目的別にグループ分けがなされ、各々の学習効率が配慮されていた。
いつもどおり、全員でご遺体に対して黙とうが行われ、グループ別の実習に移る前に、手術手技の体験、検証が行われ、Dr.Choiの眼瞼下垂手術、lateral tarsal stripの実演や、山本医師の瞼板切除実演など日常ライブでは、なかなか見れない手技が披露されていた。また、実習中には、Dr.Choi、中間医師、山本医師が巡回し、多岐にわたる各々の質問に答えていた。




このように終始『実際の手術のための手術シュミレーティングトレーニング』という進行に参加した医師たちは時間を忘れ取り組んでいた様子だった。終了時に『とても充実した一日でした』というコメントが異口同音に聞かれたのも開催者としては嬉しいものであったが、初参加の先生方からは、『これだけ内容が充実しているとは思いませんでした。また参加させて下さい』という熱いコメントをいただくことが出来たのが何よりの喜びであった。
前夜の夕食会、そして実習後に行われた打ち上げを兼ねた晩餐会では、いつもの如く初対面の先生方が名刺交換しながら親睦を深めていた。
会食冒頭のあいさつでは「2015年の山本美容整形塾ライブ講習会シリーズには、今回の解剖・執刀トレーニングで検証した内容を反映していきたい」と熱く語る山本塾長が印象的であった。


(JHM124号より)

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