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提言 一番街総合診療所理事長 細川 博司MD

[ 2015/1/5 ]

21世紀は治療から予防へ



21世紀は早晩、治療から予防へ向かわざるを得ない。反対に予防に精通しない医師は食えなくなる時代に突入しているのである。
世の中には、健康や若さを保つ方法を解く内容や情報が氾濫していますが、特に都会に暮らす多忙人は過労に陥りやすい。このような人たちは日常、刺激が強く不自由が甚だしいので、精神的にも肉体的にも疲れてしまうことから大変に病人が多い。
これからの医学は予防医学が大切であることは先述のとおりで、吾々も病気の前に、平生の「養生」「飲食」「起居」「動作」から心も持ち方までを修行しなければなりません。
その身心摂養法の第一着手はやはり先哲の言うとおり、心を養うことです。吾々の一番悪いこと、不健康、早く老いることの原因は、肉体より精神にあります。つまり精神に感激性のなくなることにあるのです。物事に感じなるくなる、身辺の雑事、日常の俗務以外に感じなるくなる、向上の大事に感激性を持たなくなる、これが一番いけません。
それでは、どうして精神を雑駁にしないか、分裂させないか、沈滞させないかというと、対処法は古人の教えに無数にあります。まずは次の三つのことに心がければいいでしょう。
第一 どんなに苦しいことに逢っても心のどこか奥の方に喜びをもつということです。実例を言えば、人から謗られるあられもないことを言われると、憤りを覚えるのが人情であるが、たとえ憤ってもその心のどこか奥に、イヤこういうことも実は自分を反省し練磨するきっかけになると思うことです。
第二 心中絶えず感謝の念を含むこと。有り難いという気持ちを絶えず持っていること、一杯の水を飲んでも有り難い、一椀のごはんを食べても有り難い、無事に過ごしても有り難い、何かにつけて感謝の思いもつことです。
第三 常に陰徳を志すことです。絶えず人知れぬ善いことをする、それがどんな小さいことでも構いません。
さて次に、仏医教、或いは仏医王経の中にある健康法です。人が病気を得るのには十因縁があると言って、十箇条目を列挙しています。
日頃から予防のために、この十箇条に書かれていることを避ければいいのです。
その十箇条目とは、「久坐食わず」「食不貸す」「病極」「淫佚」「憂悶」「瞋恚」「怒る」「下風を利すること」「忍小便」「忍大便」です。
意味は、不規則な食事をする、たらふく食べる、心身共に過度な疲れを起こす、享楽の度を越す、悩みすぎる、目くじらをたてる、怒る、おならをする、文字通り大小の生理現象を我慢する。
その他、健康法として勧められるのが「安眠」「足腰を冷やさぬこと」そして「正しい食の摂取」などです。
とりわけ食べ物は重要で、不断から薬になる食べ物を食べて特別に薬剤を飲まないことが肝要です。
つれづれと書いてきましたが、予防医療と言っても決して難しい話ではありません。日常の「養生」「飲食」「起居」「動作」から心の持ち方など習慣そのものに注意を払っていくこに他なりません。
これからの予防医療の時代にあって、私も含めまずは医師自らがこうした予防に関わる習慣を身に着けることが大事であろうと思います。

著者略歴
・昭和35年 山口県宇部市生まれ
・昭和53年 山口県立徳山高校卒業
・昭和61年 国立大分大学医学部卒業
・平成5年 医学博士号取得
・平成10年 医療法人設立
・平成24年 一番街総合診療所開院
 およそ30年間の医師歴を有し、その間、主に循環器系内科医として保険診療に従事。自由診療分野においては美容外科及び抗加齢医療や幹細胞移植を推進している。


(JHM123号より)

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