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ズームイン フォーラム講演 その二 第5回JAAS東京LiveForumから

[ 2015/1/5 ]

カンボジアにおける美容形成の現状とこれからの美容医療の需要(AMAN CLINIC院長・国立軍病院Preaket Mealea Hospital形成外科部長 DR Nouus Sarom)

日本・カンボジアの提携加速、JAASアカデミー窓口にライブ研修、派遣オペも視野に



JAAS日本アンチエイジング外科・美容再生研究会の「第5回JAAS東京ライブフォーラム」(9月28日、29日)が、東京港区TKP赤坂駅カンファレンスセンターで盛況のうちに幕を閉じた。本稿では、第5回ライブフォーラムでの講演の中から、とくに話題をさらった発表を数回にわけてダイジェストで紹介してみたい。第2回目は、招聘講演としてスピーチした「カンボジアにおける美容形成の現状とこれからの美容医療の需要」(AMAN CLIN院長・国立軍病院Preaket Mealea Hospital形成外科部長 DR Nouus Sarom)をピックアップしてみた。

 本紙既報のとおり、JAASアカデミー主催「タイ・カンボジア執刀体験とライブ供覧ミッション(DR山本美容整形塾第4期番外編)」で、第1クールの執刀トレーニングを受け入れて頂いたサロム医師に対して、JAASではその返礼として招聘講演で迎えた。
 荒れ果てた国内を着実にそして経済のみならず医療、教育などのインフラ整備をとりわけ重視するカンボアジアにおいて、内乱ゆえにその後遺症として悩む患者の形成外科医療が果たす役割は大きい。海外で研さんをし形成外科医として活躍するカンボジアの専門医はサロム医師を含め国内で2人しかいない。

 一方、経済成長も見据え、海外とくに中国から流入する医師も増えており、最近では、こうした医師らが低級で高額な美容医療を行い問題視されているようだ。

 こうしたなか、サロム医師は形成治療をプノンペンの病院のみならずボランティアとして国内いたるところに飛び、患者に対して外科治療をしている。そして一昨年、プライベートクリニックAMAN CLINICを開設し、経済の繁栄と共に増え続ける美容ユーザーに美容形成術を行っている。
 そんなサロム医師の講演をまとめてみよう。
近年アジアの中でも特に成長性が注目されているカンボジア。人口1500万人、仏教徒が中心のこの国では、産業の9割程度が旅行やツーリズム関連だという。1970年以前までは、アジア諸国と比較しても産業が進んでいたが、75年からの戦乱によって教育、医療など様々なインフラが崩壊してしまう。
その後、各国の協力によって80年代ころから大学など教育機関等も再開し復興の道をたどっていく。1999年には、医療分野でも外科・内科・婦人科などの専門教育がスタート。さらに2002年に美容形成外科の専門学科も始まり、すでに10年超が経とうとしている。
JAASアカデミーが、カンボジアでの「国境を越えた美容眼瞼形成」の執刀体験を行ったことは先述のとおりだ。
現在のカンボジアで正式な美容外科のライセンスを取得しているのは4つしかいない。1つはJAASが執刀ライブを行った軍病院で唯一の美容外科を併設している。その他の3つは個人クリニックによるもので、そのうちの1つが今回の講演者であるDr.NousSaromが経営するAMAN CLINICである。
カンボジアの美容医療の歴史はまだ浅く、2002年から美容形成外科として専門教育が始まりその後、様々な医療先進国とメディカルミッションを行い、技術を研鑽している。
カナダとは定期的にプログラムを実施しており、アメリカとはチャリティ財団を設立しプログラムを実施。また日本とも過去に口唇裂のオペにおいてメディカルミッションを一度行っていたが、JAASアカデミーとの執刀ライブは美容形成としては初の試みとなった。
現在のカンボジアにおける美容形成外科の内訳は、80%が顔面再建や口唇裂、火傷などの形成外科、残り20%が美容形成だという。20%の内訳としては鼻形成が58%、重瞼術などの眼瞼形成が23%、豊胸が12%程度をしめる。鼻形成においてはインプラントが主流だ。
国内で美容形成のライセンスを持っている医師は20名程度と少ない。ただ本格的に美容形成術を習熟するのは2人しかいないことは先のとおりである。
日本国内での医師のライセンスがあれば現状カンボジアで医療に従事することができることなどを考えると、今後ますますカンボジアと日本の美容医療の提携は加速していくだろう。
 ちなみにサロム医師は、国内シュムリアップ(世界遺産アンコールワットがある国内第二の都市)に来年早々には2軒目のクリニックを開設する。そして日本との執刀ライブに加え、日本医師の派遣治療をプノンペンとシュムリアップで実施する計画だ。その際、日本国内の窓口としてJAASアカデミーに委ねることで合意した。    

(JHM123号より)

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