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過去1年、20倍の来院数 男性脱毛の需要高まる

[ 2014/10/23 ]

メンズヘルスクリニック1か月6000人のAGA治療

ゲーテ大手ビジネス誌には最近「“男の美活”市場に商機あり!」「男性脱毛」などの特集が掲載されている。まさに最近注目されているのが、男性向けの美容市場だろう。
一例をあげれば脱毛だ。女性の脱毛はすでに一般化しているが、ここ数年で男性脱毛も需要が急激に増えてきている。大手メンズエステサロンによると、以前はコンプレックスで来店する男性が多かったが、ここ数年はヒゲのデザイン脱毛やオシャレ脱毛が目的で来店する若い男性が増えているという。また大手美容クリニックでは、この1年で男性の脱毛による来院が20倍以上増えたという。また脱毛に限らず、育毛(AGA)やアンチエイジング、スキンケアなどの分野で男性向け治療を宣伝する広告が目立ってきた。この8月には日本初の男性総合医療クリニックとしてAGA専門外来、男性更年期専門外来などを診療科目とする「メンズヘルスクリニック東京」も開院した。では市場において男性の美容医療ニーズが増えているのだろうか。実態を追う。


美容クリニック男性美容ユーザー開拓の時代

前述したとおり、大手美容クリニックを始めとし、男性の医療脱毛の広告がここ数年で目立ってきた。
ヒゲ脱毛をはじめとし、手の甲や前腕部さらに胸毛や太もも、VIOや全身脱毛といった部位が中心だ。最近では「コンプレックス」よりもオシャレの一環として、フェイスラインのヒゲを整えたり、身体の毛を全部脱毛するのではなく適度に減毛する男性も増えている。
エステの場合、毛根部を刺激するレーザー脱毛は扱えないにも関わらず、中にはグレイな脱毛エステが相変わらず少なくない。このため、ユーザーは痛みが少なく確実に抜ける医療脱毛に勢い向かう。その受診層は20代、30代の男性を中心だが、10代後半や50代も増えているようで、今後さらに広がっていくことは間違いない。
JAASアカデミーでも昨年から、中間健医師による「再生医療塾」を実施し新しい幹細胞注入メソッドを取り入れた最新の発毛セラピーについてノウハウを明らかにしているが、脱毛の対極にある育毛(AGA)治療も以前よりもニーズが増えている。

今年8月に開院したメンズヘルスクリニック東京は、AGAに特化したクリニックとして1999年に開院した城西クリニックが前進だ。
当時から男性向けアンチエイジング治療に目を向けていたが、まずはAGA治療に特化する形でスタートし、その後15年でAGA治療患者が毎月6000人弱来院する規模にまでなったという。丸の内に移転リニューアル後は、男性の総合医療クリニックとしてAGA専門外来だけではなく男性更年期専門外来、男性皮膚専門外来、男性妊活外来なども診察を行う。


今後は「コンプレックス需要」から「美容若返りニーズ」をいかに増やすかが課題

また大手美容クリニックでは、ロボット植毛を取り入れ、薄毛専門クリニックを19院運営している。今後は育毛やAGA分野に限らず、得意の美容医療分野への囲い込みも行っていくであろう。
とはいえ女性と比較するとまだ日が浅い男性の美容医療。実際の集患状況はどうか。
ある美容総合クリニックでは、来院する男性患者の多くが脱毛目的で、二重など他の美容医療メニューを薦めてみるものの、現状ではまだほとんどの患者が興味を示さないと言う。
別の美容形成外科では、目のたるみ改善や若返り治療のために来院する男性も少なからずいるとは言うが、著名人か、もしくは非常に強いコンプレックスを持った男性が中心で女性が考えるような「美容医療」・「きれいになりたい」という感覚からは程遠いようだ。女性は様々な情報を取り入れ比較検討して来院する。
また「こうしたい」という希望があるため、説明をする中で比較的スムーズに治療方法もまとまるが、男性の場合は「コンプレックスを治したい」という変身欲求が相談の中心のため、術後の結果に、逆に違和感を持つケースもあるため事前の丁寧な説明がとても重要だ。

リアルな医療現場の様子を見ると、まだまだ男性の美容医療を広げるにはもう少し時間がかかりそうだ。
昨年のJAAS第4回ライブフォーラムで「新規事業を始める際の考え方」について講演を行った湘南美容外科の相川総院長はこう話していた。
「どんなサービスにも流行り・廃りがある。導入期を経て、成長期、成熟期、衰退期へと移行していく。美容医療業界のそれぞれの診療はどうか。それぞれの治療法がどの段階かを考え、さらに一般に広がる前の成長期の治療法を早めの導入することが最も売上貢献する。」
未だまだ険しい道のりの男性向け美容医療だが、時代の変化にあわせ巨大な新しいマーケットになる可能性を大きく秘めている。



(JHM122号より)

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