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知らぬではすまされない 院内物販のための薬事法講座 その二

[ 2014/9/8 ]

薬事法+素材力を味方につける!
広告PRを意識して、その後「素材」を吟味する

「○○が気になる方」よりは、「○○したい方」のようなポジティブ表現が薬事法に抵触する確率低い


120-号13面 顔写真少し古い話になりますが、特定保健用食品(トクホ)初のコーラが大ヒットしました。カロリーゼロ、難消化性デキストリンを使って「脂肪の吸収を抑える」という効能効果で、メタボが気になる30~40代の男性のハートをつかんだといわれます。この難消化性デキストリンは、全トクホの約30%に使用されているといわれますが、食品素材としてもサプリメントで利用されています。同じ原料、素材を使ったとしても片方はトクホのマークと効果効能の文言があるだけで、飛躍的に売上が上がる可能性が高いのです。
逆説的にいうと、効果効能を謳える→大手ならではの広告宣伝力がものをいって売れるという要素もあります。不健康の代名詞のようにいわれたコーラが健康飲料になるというインパクトは、ある種広告宣伝力があってこそのものです。
しかしながら、トクホは決められた効能効果の文言をいえる一方、それ以外は一切いえません。つまり範囲が1つと絞られるということがあります。また、使用できる原料も必然的に限定されます。一方、サプリメントは効能効果はいえませんが、薬事法上のルールを守りさえすれば、抽象的に幅広く表現することができ、原料のチョイスの幅も広がるというメリットがあります。

NR・サプリメントアドバイザー(日本臨床栄養協会)
石関 剛


中小企業にとってトクホ市場というのは、極めて限られた効能効果、素材のチョイス、さらに強い競合がひしめき合う狭い市場のため、効能効果を言えたとしても大手の広告宣伝力、資本力で容易につぶされてしまうでしょう。まして、個別のクリニックサプリメントではなおさらです。

そこで、薬事法違反のリスクを冒して効能効果をストレートに又は暗示させる広告表現にこだわるのではなく、また商品ができてから広告・PRを考えるのでもなく、商品開発の段階で、広告/PRを意識して素材から吟味しましょうというのが連載2回目の「素材力」の趣旨です。

「素材力」をある一面でいえば、一般的に健康に良いという認知がある素材、例えばトクホで使用されている主原料を使うのも1つの方法です。上記の場合でいえば難消化性デキストリンです。但し、これだけでは差別化になりませんので、原料の組み合わせの妙が必要になってきます。

難消化性デキストリンの機能性をみると、「整腸作用、血糖上昇抑制、コレステロールの低下、中性脂肪の低下 」と幅広くあります。しかしトクホの場合、個別に認可された表示だけが適用になりますので、あれもこれも書くことができません。例えば、「難消化性デキストリンが含まれているのでおなかの調子を整えます。」という1訴求、1文言です。ある意味医薬品に近い表現です。
サプリメントの場合はどうでしょうか。同じ1素材であっても、例えば以下のような表現が考えられます。

整腸作用→すっきりしたい方に
血糖値上昇抑制→甘いものがどうしても気になる方に
コレステロールの低下→油っこい食べ物が好きな方
但し、この場合、メタボが気になる方なのか、糖尿気味なのか、単に痩せたい、お通じを良くしたい方なのか、ターゲットがぼんやりとしていますね。そのため、ある特定の一人だけをイメージして、その人になったつもりで、その人のためにメッセージを届けるような感じを意識すると良いです。別の事例を挙げます。
例)○○含有のサプリメントのコピー
・健康のためにウォーキングを楽しみたい方
・買い物などに気軽に出かけたい方
・お稽古等でよく正座をする方
何となくどんな方向けの商品で、○○にどんな素材が入るか想像がつくかもしれません。
この「どんな方に向けた」というターゲットを示す表現には2つのパターンがあります。
1つは、○○する方、○○したい方・・・というように、日常生活において、その人にとって頻繁に発生するために重要な「活動」、もしくはこうありたいという願望をこめた「活動」を表現する内容です。これを「ポジティブ表現」といいます。
一方、2つめは、○○が気になる方、○○で困っている方・・・というように、日常生活において、その人にとって悩んでいる「症状、状態」を含めて表現する内容です。これを「ネガティブ表現」といいます。どちらが良いかというと一概に判断できませんが、薬事法に抵触する確率が低く表現しやすいのは前者のポジティブ表現でしょう。また、悩みがなくなった後のターゲット(対象者)の「理想の自分像」をポジティブ表現によってイメージしてもらうことは、脳のメカニズムを考えてもとても重要です。    
まとめますと、薬事法は難解なものでもなく、基本的ルール、原理原則さえ理解すれば、怖れるものでもありません。
基本的な三大ルールは、①効果・効能を言ってはならない(改善、予防等)②身体の特定部位を言ってはならない(眼、肝臓等)③疾病、症状を言ってはならない(便秘、風邪等)、です。 

これは、消費者が医薬品と混同、錯覚してしまい、本来助かるであろう方の大切な医療の機会を奪ってしまうことのないようにするためというのが根底にあります。とはいうものの、これらの表現を用いずに、マスの一般消費者に対して、ある素材が=○○に良いというピンポイントの認知をしてもらうためには、相当の広告宣伝、教育コストと時間がかかります(最近では、TVで取り上げられた翌日にスーパーの棚から特定素材が含まれる商品が品切れになるという現象が起きていますが)。

これについては、先行している大手が既に広告宣伝をしてある程度健康効果の知られている認知度のある素材のメッセージ力(暗黙知)を生かしながら、さらにより深いレベルでターゲットの行動、悩みを理解し、それを広告表現に生かしていく工夫が必要です。
次回の最終回は、薬事法のルールとビジネスモデル&商品開発について書きたいと思います。(つづく)



(JHM120号より)

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