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知らぬではすまされない 院内物販のための薬事法講座 その一

[ 2014/8/20 ]

NR・サプリメントアドバイザー(日本臨床栄養協会)石関 剛

119号13面 顔写真

オリジナルのサプリメントを開発・販売したいけど、発注ロットや広告費がどれくらい必要か気になる・・・、どの製造メーカーにお願いすればよいかわからない・・・、薬事法の壁をどうクリアしたらよいかわからない・・・といった悩みを抱えていませんか? 
新規事業としてサプリメントを販売するにあたって、いかに小予算、ローリスクで始められるかがポイントですが、予算の話の前に、まずは企業戦略の三本柱「商品・地域・客層」の筆頭、商品力のある商品をいかに作るか?というテーマに沿って、連載の第1回目を始めたいと思います。


サプリの商品力は効果
されど薬事上のコンプライアンス違反が最大の壁

商品力がなければ、だれが扱っても売れません。しかし、サプリメントでいう商品力は、ただ単純に効果のある商品というわけでなく、それを薬事法等のコンプライアンス違反にならないよう伝えるためのクリエイティブな表現力が必要です。
つまり、私独自の視点では、薬事法のノウハウと商品の中核をなす素材力≒「商品力」と定義しています。この=ではなく、≒(ほぼイコール)になっている意味は連載の中でお伝えします。

まずご承知のとおり、サプリメント(いわゆる健康食品)は医薬品と違いあくまで食品なので、効能効果を謳うことはできません。また、特定保健用食品もある特定の効能だけを決められた文言で表現することしかできません。該当範囲が狭いのです。このいわゆる「トクホ」に大手企業は多額の費用と時間を費やして商品化しますが、中小零細企業にとっては大きな負担と賭けです。
トクホにしたからといって売れるとは限らないからです。従来の栄養機能食品(ビタミン12種、ミネラル5種)における規格基準型の機能性表示も極めて限定的で、それ以外の多くのサプリメントについては、消費者にとって正しい選択をするためには情報不足という現実があります。

昨年末より消費者庁が中心となり「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が開催され、年内に方針がとりまとめられる予定になっていますが、1994年に制定されたアメリカのDSHEA(Dietary Supplement Health and Education Act: ダイエタリー・サプリメント健康教育法)を参考にしながら検討されているようです。
この法律の内容から、信頼性の高い科学的根拠のある限られた原料について、ある条件に従えば特定の機能性表示を認めようという流れが考えられます。
ビタミン、ミネラル以外の、例えばポリフェノールについての機能性が謳えるようになる可能性があります。さらに、消費者庁は「第三の健康食品」として、対象が食品全般で、加工食品だけでなく、野菜や肉、魚などの生鮮品も含めて検討を進めています。
例えば先日報道があったように、温州みかんの場合、「β―クリプトキサンチンを含み、骨の健康を保つ食品です。更年期以降の女性に適しています」といった表示が考えられ、食品と健康食品の境界が薄れ接近し、怪しい商品が増えて益々情報過多、混迷の時代へと入る気配がします。

しかしながら、それでも多くの消費者と多くの販売会社(メーカー)との間の情報格差、ギャップを埋めるのには、消費者教育とともに、伝える側の努力・工夫が必要です。
具体的な事例を挙げて説明しましょう。たとえば、美容サプリメントを販売したいとします。美容という言葉からは得られるメリットとして「キレイになる」ということが連想されますが、少し抽象的な印象を受けると思います。サプリの購買動機としては、今あるフラットな状態から上積みしてさらにキレイになる!というよりも、悩みや痛みといったマイナスな状態があり、それを克服したい!という方がより強く購買行動に結び付けられるため、美容サプリメントを開発する際は、さらに噛み砕いてどういったターゲットの方に飲んで頂くことで、どういう具体的な結果(メリット)が得られるかを考える必要があります。
そこで薬事法の壁にあたることになります。「シミやシワが気になる方に」のようなキャッチコピーを書けばシミやシワを改善することを暗示させ、未承認医薬品の広告の禁止で薬事法上NGになります。


広告のNG表現を知りクリエイティブさを学べ

ここでまず重要なのは、ストレートなNG表現を避けるということです。明らかに医薬品的な効果・効能を謳う語句は使うべきではありません。この例で言うならば「シミ」や「シワ」といた語句です。ではどうしたら良いか? ポイントの1つは、ターゲットの方が商品を使っていただいて実感する場面、結果が得られた先を想像することです。悩みが解決された先にはどういう世界があるのか?顧客になりきって想像してみるのです。
秀逸なコピーライティングやキャッチコピーはすぐに浮かぶものではなく、ある意味繰り返し反復トレーニングを積むことで、段々と顧客の心に刺さる精度が高くなっていくはずです。
違った例で説明しましょう。「アンチエイジングサプリメント」を販売したいとします。ここで出てくる「アンチエイジング」というワードは薬事法上NGになっています。ではどうするか? 

アンチエイジングという言葉を使わずに表現を置き換える、あるいは作り変えるのです。たとえば少々伝わりづらくなりますが、、「サクセスエイジング」です。また、今まで見てきた中で最も秀逸と思ったキャッチコピーは「ライバルは10年前のあなた」です。何となく若返り、アンチエイジングのための商品だというニュアンスが伝わると思います。薬事法に関してはまだ色々なツボとコツがありますが紙面の都合上ここまでにして、次回の本稿に譲ることとします。

◎ご質問は☎070-5489-3588までお願いします。

(JHM119号より)

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