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認定エステティシャン資格講座3期・第2回で歯科から教えるリップエステを実演、口元も「見た目年齢」のポイント

[ 2014/8/18 ]

歯科医も資格めざす
ヒアルロン酸の口唇注入(中村DDS)も供覧

119号9面 写真(カラー入稿

JAASアカデミー主催の認定エステテャシン資格講座・第3期実技供覧編が先ごろ開催された。当日は、デンタルエステやヒアルロン酸注入などの実演もあり、医療側から教えるクリニカルエステ養成講座の特長をいかんなく発揮された講習会となった。受講者およそ40人、エステティシャンはじめ看護師や歯科衛生士に加え、歯科医師も認定資格をめざし参加した。

講座ではまず、中村デンタルクリニック院長・中村朋美歯科医から「歯科治療からみたデンタルエステ術:咬筋肥大・ほうれい線・表情筋への施術とエステサロンでもできるリップエステ」について講義が行われた。
昨今の女性モデルを見られるように、ぼってり唇を半開きにした表情が流行しているが、中村歯科医はこの表情に警鐘を鳴らす。本来人間は鼻呼吸であるため口を半開きにして口呼吸を行うことで、唾液の働きの弱まりや唇を閉じる筋力の衰えなどに影響を与えることもあるという。口の渇き、唾液の減少は虫歯や歯周病のリスクを高め、ドライマウスや口内炎、口臭などにも影響するという。

また唾液は年齢と共に減少する傾向にあり、また唾液中のEGF(上皮成長因子)とNGF(神経成長因子)は神経線維を修復する働きがあり若さを保つこともできる。さらに唇を閉じる筋力が弱まると、いびきや睡眠時無呼吸症候群、さらに美容的にはたるみやしわにもつながる。目元だけではなく、口元も「見た目年齢」に大きく関連していることが分かる。
老化現象でもあるしわには、表情じわ、ちりめんじわ、たるみじわなどがあり、治療法としてはボトックスやヒアルロン酸などのフィラー、高周波、マッサージなどそれぞれに適したものがある。その中でも口元にできるほうれい線の場合、高周波とフィラーやマッサージによる治療が効果的だ。 
スライドでは、実際に表情筋をマッサージする際の留意点を写真入りで詳しく説明。咬筋マッサージ、顎舌骨筋のマッサージ、顎周りの筋肉のエクササイズ、オトガイ筋のエクササイズなど、エステ現場でもすぐに導入できそうなものが中心で、参加者も実際に手を動かしながら話を聞くことができた。

その後、小児歯科での症例等に続き、エステサロンでもすぐに導入できるリップエステについて、実践も含めての講義を行った。
リップエステについては導入しているサロンも少なく競合との差別化にもなりうる施術だけに、多くの参加者が丁寧にノートを取り聞き入っていた。中でも唇のアンチエイジングケアとして、ゲルを塗った指で唇のしわをマッサージする方法や円を書くように回しながら指圧する方法、更には鼻の脇から首筋までのリンパマッサージなど、より具体的な方法を全員が実践の上で講義に参加することができたのは当セミナーならではだろう。
続いて、中村デンタルクリニック副院長の中村徳三歯科医師が「歯科医業の範囲で行える更新のヒアルロン酸注入とその実際」について講義と実演を行った。
周知のとおり歯科医がヒアルロン酸注入を行える範囲は口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋等に限定されている。今回はその中でも最もニーズの高い、口唇にヒアルロン酸を注入する施術をライブで行った。
中村歯科医師によると、歯科でヒアルロン酸注入を行う場合はいわゆる美容目的というだけではなく、顎劣成長の治療や歯周病などで痩せてしまった口元の改善、左右差の改善、内側からの保湿やハリ感アップなど歯科治療の一環として行うことも多い。
また、口唇は歯科医の専門分野であるため、一般の美容外科で行う口唇へのヒアルロン酸注入より専門的に施術を行うことができ、施術部位や目的によって使用するヒアルロン酸を使い分けることもあるという。中村歯科医師によると、ヒアルロン酸を注入する場所によって効果は異なり、例えばヒアルロン酸を皮下の深めの部分に注入すると唇全体に厚みが出て、保湿効果が高まる。
また唇のエッジ(赤い部分と通常の肌の境界線)に、表皮に近いごく浅い部分へヒアルロン酸を注入すると、若々しさを出すのに効果的だという。今回は実際に、講義の中でエッジ部分へのヒアルロン酸注入を行った。注入後にモデルの口唇にしっかりと膨らみができた様子を全員がリアルで確認することができた。

ヒアルロン酸注入術も時代とともに価格が下がってきているが、中には利益重視でヒアルロン酸の濃度を薄めたり、一本の注射を複数の患者で使いまわしているクリニックもあるという噂を聞く。さらに海外では、利益確保のためにヒアルロン酸ではなくワセリンやシリコンを注入する悪徳なクリニックもあるという。比較的一般的になりつつあるライトな施術ではあるが、しっかりと対応してくれる医師に施術してもらうことが大事だと話す。
中村歯科医師は、「まずは、医療を必要としないエステやマッサージといった美容法でお客様に満足いただくことが大事。もしそれでもご納得されない方がいれば、美容医療という方法もあるという風に考えていただきたい」と繰り返し話をしていた。

講習では前回に続き、エステティシャン服部 恵氏による「カリスマエステティシャンによる美筋形成・骨筋小顔形成とその理論 エステ現場で求められる解剖と施術実演その② ハンド術と加圧システムの併用」について講義と実技の供覧を繰り広げた。
エステにおいても解剖学を熟知した上でのマッサージがより効果を出すためにも必要であること、更にはハンドと加圧システムなどを組み合わせた施術について実演した。
最後にはニュートリション・リンク代表の石関剛氏による「サプリメント導入における薬事法の基礎とその遵守~食薬区分と諸外国からみた日本の薬事行政とこれからの機能性表示の行方」の講義が行われ、資格講座3期目の実技供覧研修は終了した。


(JHM119号より)

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