JAASアカデミー
TEL
お問い合わせ
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

JAASアカデミー

一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

TEL

お問い合わせ

危ういコンサルの罠

[ 2014/5/20 ]

Web集客会社が化粧品販売で、的外れなマーケティング論

118号8面 画像

どちらかというと経営に対し門外漢のドクターにとって、コンサルティング会社に相談する機会は多い。しかし、ともすると多くの甘言を弄して誘惑するコンサル業務の罠に陥るケースも少なくない。集客、集患を競う美容クリニックやエステサロン業界にとって、コンサル会社は時として救世主のようにみえるのかもしれない。診療行為以外に縁のなかったドクター、そして施術の技術を磨くことに没頭してきたエステティシャンにとっては、経営、マーケティングは未知の世界であるからだろう。こうした「救世主」は、多くの場合Web集客サポート会社だ。そしてネット集客はもちろん、施設運営に関わる業務の支援までその範囲を広げることになる。なぜなら医師やエステティシャンが開業を考えるときには、物件の検索、借り入れ、生活費の見積もり、スタッフ教育、内装工事、各種届出など、やることは山積になる。そしてここにこそ、落とし穴がある。


開業支援では高額なコンサル費と永続的な中間搾取強いられる

Web集客サポート会社は何も、集客や集患だけの業務をしているわけではない。最近は、院内物販あるいはサロン内物販の支援にもその業務を広げてきている。
ここで本紙編集部が先ごろ、取材もかねて参加してきた『クリニック発のサプリ通販事業、その「勝ち方」とは』という講演の一コマを紹介しよう。
演者は、いわゆるWeb集客支援をする会社の担当者である。
その中で、得意とするネット通販のやり方をコンサル指導している。そして、ケーススタディとしてあるクリニックで開発した美容に効果的なサプリメントの販促について取り上げた。演者曰く「当初はコラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸など、開発側がこだわった成分や品質面を中心にWeb上で消費者に商品PRを行った。しかし実際に販売を始めても思ったほどに購入に繋がらない。そこで購入者の声などをヒアリング・分析した結果、使う側からすると、成分以上に「どんな美容の悩みに効くのか?」を気にしているということが分かった」と説明した。

そこで彼らが提案したのが、「成分や品質以上に、『自転車での子供の送り迎えや、買い物などで日常的に浴びている紫外線によるシミやくすみが気になる方へ効果的です
』など、具体的な悩みや改善される部分についてWeb上でも丁寧に伝えたところ、予想以上の売上に繋がったことを力説した。
さらに一般的な美容商品と差別化を図るのであれば、クリニックの専門性を活かして「“目もと”のちりめん皺に効くアンチエイジング美容液」、「“背中のニキビ”対策に効くクリーム」など、より細かな部位に効果的な商品として訴求することで、消費者も明確なイメージを持つことができるため、売上増加、リピート数増加につながると強調する。講演では、育毛…にもその提案事例を投げかけていた。
もっともらしい講演なのだが、ここにコンサルの危うい罠が潜んでいることをお気づきだろうか?

ちりめん皺、ニキビそして育毛などの表示表現は、化粧品といえども明らかに薬事法の範ちゅうを超えている。周知のとおり、美白効果も含め、一般化粧品の表示で許可される有効性表示では、こうした訴求は許されない。従って医薬部外品の許可をとる以外に、彼らのいうクリニックの専門性を生かした商品PRはできない。
プラベートクリニックがオリジナル化粧品を拡販するために、わざわざ医薬部外品指定を申請し許可までとる必要があるだろうか?
的外れなマーケティング論である。
素人集団ともいえるこの講演会社は氷山の一角で、こうしたコンサル業務を行うWeb会社が少なくない。

ネット集客のWeb会社にとって、施設運営に関わる業務の支援までその範囲を広げることはいうまでもない。なぜなら医師やエステティシャンが開業を考えるときには、物件の検索、借り入れ、生活費の見積もり、スタッフ教育、内装工事、各種届出など、やることは山積になるからだ。時には、初期導入のためのIPL、レーザーなど美容医療機器の仲介にまで顔を出すところもあるようだ。
通常、コンサルティングの相場は、開業支援から開業まで少なくても200-300万円といわれる。一見する妥当に見えるかもしれないが、実は膨大な金額の『中間搾取』が含まれている場合も稀ではない。

たとえば開業に関するコンサルティング料には、借り入れを起こす際の事業計画書の作成費などは一切含まれていない。事業計画書の作成費は、30%というのが相場であるため、仮に5000万円の借り入れを起こすとなると150万円の費用が発生することになる。
次に不動産契約である。通常は、コンサルティング会社馴染みの不動産会社を連れてくることになるが、ここにもコンサルティング会社と不動産会社の間に『紹介料』なる金銭が動くこととなる。

契約が終了すれば、内装工事だが、2000万円の工事費に対し、工事業者から100-200万円の『謝礼』が流れることはほぼ想像にかたくない。内装が完了すれば、保健所をはじめとした各種届出に対する『代行手数料』なるものが発生する。これは、明朗会計なことが多く10-20万円程度といったものであろうか。

そして美容医療機器の購入が必要となる。ここでもメーカーとコンサルティング会社の間に『紹介手数料』なるバックマージンが存在する。美容医療機械の価格にもよるが、おおむね10%がコンサルティング会社に流れることになる。この時期になると借入金額も多く大きなお金が動くことに対する感覚のマヒが起こり、多くの医者は『開業できれば何でもよい』というような気持にさえなっているため、こうした金額は気にならなくなってしまう。
さて、こうした準備がすべて終わると、スタッフ教育や広告宣伝を含めたPR戦略へと展開していく事となる。最近は広告費込の毎月コンサルト料というのが、一般的になりつつあり、これらに毎月100-200万円の金額が必要になる。開業してからもこうしたコンサルティング会社は笑顔いっぱいで医師からの精神的な『拠り所』になりつつ、クライアントから永続的にお金を絞り続けることになる。

広告費をつぎ込まされ、破産して行った美容外科の数は少なくない。こうしたことからも分かるように、コンサルティング業界は、開業となると少なくても500万、場合によっては1000万円の金額を稼ぐことになる。開業準備中の先生は切羽詰まっているので、思考能力は通常の50%程度となり、コンサルティング会社にとっては、まさに『カモ』である。
では、どのようなところに、適正価格で相談したらよいのであろうか?この疑問に答えるべくJAASアカデミーのコンサルティング部門が発足した。
業務内容は、借り入れのための計画書作成に始まり、不動産交渉、内装業者、機械会社への取り次ぎ、価格交渉、さらに各種届出などである。つまり、コンサルティング会社が行う業務は、すべて含まれているのだ。さらに、そのプロフェッショナル集団を構成するのは、総合窓口に現役開業ドクターが就き、それぞれ美容医療での経験をもつ弁護士、税理士、行政処理、労務士、適正な内装業者、機械メーカー、資材・器具メーカーさらには、安価で確実な集患を約束できるネットディレクターと専門のSEO、システムエンジニアによるマーケティングのサポート体制と、まさにも『チームJAAS』としてのコンサルティング集団を形成することになる。先述した薬事法に関する相談は、JAASアカデミーと一般社団法人JAASの事務局を務める弊紙が窓口となる。


(JAAS)現役の開業医師が総合窓口で、各業務で実績のプロ集団が適正価格でサポート

JAAS会員のドクターが安心して、法外な費用を請求されることもなく開業できるというのが最大の狙いである。もちろん、美容医療のスキルは、JAASライブ講習そしてJAAS美容外科アカデミーが、一流の講師陣、指導医を揃え、お手伝いすることは言うまでもない。
◎開業を考える、あるいは一般診療に美容医療やアンチエイジング診療など自費部門の併設を検討するDRで、興味のある方は、JAASアカデミー公式サイトhttp://www.jaas-academy.com
もしくはinfo@jaas-online.comにご質問、ご相談を。相談業務に関する内容は秘匿することはいうまでもない。

 

(JHM118号より)

Copyright (C) JAAS ACADEMY. All rights reserved.