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追悼 故人・先輩をしのんで

[ 2013/12/16 ]
「従藍而青」の教え通り
後輩が成長し、業界に使命果たすことが恩に報いること



社説の紙面をかりて、追悼の思いを綴らせていただくことをお許し願いたい。
同じ業界専門紙の世界で長年共に薫陶を受け、育ってきた先輩が先日、亡くなった。享年55歳という若すぎる旅立ちだった。
彼とは、公私ともに長きにわたってお付き合いをさせていただいた。私が業界専門の新聞社に入社し、新米の頃、年上の後輩である私を激励しまた、記者という特殊な職務のうえで不慣れな私を陰ながら支えてくれた。

5年後、私は結婚を機に縁あって、都心のベッドタウン・埼玉の地に、居を構えたが、その地でも同じ住民としてお付き合いをさせてもらった。
時が経ち、私そして亡くなった彼の、共通の大先輩が独立した。業界にあってまだ草創の頃から当時の社長と共にサプリメントの社会的な使命を果たしていきたい、として専門紙を立ち上げた人で、業界紙という世界では類まれな気骨と使命感を抱いたジャーナリストである。その大先輩が新たに立ち上げた無名の新聞社に、彼と私が続いて転職し、個性豊かな3人が、それぞれの特性を生かして、邁進していった。
やがて、その3人がそれぞれの道を歩み始めることになる。大先輩は、還暦を迎えてもますますの意気込みで、健康長寿のための予防の必要性とその一翼を担うサプリメントの重要性を今なお訴え続けている。そして亡くなられた先輩は、世界市場がグローバリゼーションの波を受ける中、サプリメントの流通も例外ではない、としてアジアのみならず遠くアメリカ、欧州にまで、輸出入の貿易をサポートするためにコンサルティングの会社を立ち上げた。
私は、彼が独立する数年前、現在の会社を設立し、医療における予防さらには積極的なアンチエイジング療法とも言われる抗加齢医学、さらには身体のみならず精神的な影響にも及ぶ美容医療について、報道する本紙「健康と医療」を発刊している。

豪放磊落、しかしながら繊細な一面をもあわせもつ故人とは、独立の後、たびたびお会いしそれぞれの業務について意見交換をして交友をつなげてきた。もちろん薫陶を受けた大先輩とは異なった業界専門紙を発刊することになったものの、定期的にお会いし続け、本紙「健康と医療」の提言欄でも論説を頂いている。

今、ここに私があるのは、まぎれもなく、故人となった先輩そして大先輩のおかげである。二人が私に与えてくれた十数年の私の職務、経験、研さんがなかったら、その後の新たな業務や現在のネットワークの礎は築きえなかったといってもいい。
旅立った先輩の恩に報いるためにも、わたしは、美容アンチエイジング医療の世界で、新聞社という立場から社会に貢献していきたいと思う。

今、TPPが象徴するように世界経済のグローバル化が加速し、とりわけ日米のTPP二国間交渉の結果ともいえる、サプリメントの健康表示に対する規制緩和が現実的なものとなっている。 

一方で二国間、多国間での自由貿易ゾーンが広がることで、日本からの輸出は追い風になることが予想される。サプリメントのみならず、日本の高い医療技術も例外ではない。そして同時に国内での規制緩和は医療体制にも波及していくことは間違いない。一部、混合診療の解禁さらには、予防、美容・若返りをより重視した(内科的、外科的な)医療への転換は紆余曲折をみせながらも、間違いなく前へ進んでいくはずだ。
時まさに、私、故人、そして大先輩が追い求めてきた「未来の姿」が、現実のものとなってきている。そのためにも、本紙「健康と医療」が果たさなければならない使命と役割は大きい。

仏典に「従藍而青(藍より出でてしかも藍より青し)」とある。先輩の恩に報いるためにも、私自身が先輩を超えて成長することが何よりの供養だと思う。そして、また私から後輩へと業界のために労苦を惜しまず、貢献していけるジャーナリストを育てていくことが私の責任でもある。
亡くなられた先輩のご冥福を、改めてお祈りしたい。天国で束の間の休息をした後、また、娑婆世界に戻って、かつての仕事ぶりで使命を果たしていかれることを願って。
合掌


(JHM114号より)
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