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一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

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手術体験せずして上達はない。しかし患者には「試す」ことはできない [JHM]

[ 2012/12/19 ]
臨床医師、歯科医のジレンマに解剖・執刀実習が応える
JAAS解剖・執刀実習終え、医師から讃嘆の声


JAAS恒例の解剖・執刀トレーニングは今年も3回にわたり、中国大連のHoffenBio解剖施設(大連大医学部の提携)で実施され、その寄贈検体(FreshCadaver)の状態の良さ、同じアジア人の解剖検体を使い渡航日数にかかる時間・研修コストも節約できることから、参加者からは高い評価を得た。そして何よりも治療・執刀トレーニングの手順に、指導医が丁寧できめ細かい教え方と「料理教室」さながらの研修スタイルを貫いていることに讃嘆の声があがる。JAASではこの2月、11月は美容外科解剖・執刀研修を、そして9月は歯科インプラントと顎顔面の解剖・治療トレーニングを実施した。
いずれも実際のオペ感覚で全顔それぞれの部位に対して多彩な執刀・治療手技を学んだことから、参加者からは「帰国後、実際のオペでLayerへのアプローチが素早くなった」「高齢者が多い整形医院でたるみ治療の需要に応える術式を会得できた」「インプラント治療で歯科がわからない外側からの上顎洞の解剖を形成医から実際に学ぶことができたことが大きい」など異口同音に実習の充実ぶりを話す。
来年2013年もまた、春、秋にこの解剖トレーニングが開かれる(関心のある医科、歯科の先生方は公式サイトhttp://www.jaas-online.comを検索し、過去の概要を閲覧ください。来年は美容解剖が11月29日-12月1日に決定、春、秋の追加日程は1月に決定します)




現実の患者を触ることなくして手術習得はない、手術を体験せずして前進はない。JAAS解剖実習シリーズでとくに大事にしていることである。しかし、現実的には患者に対して実習のように試すことはできない。臨床に携わる医師、歯科医のこんなジレンマから生まれたのが、本シリーズである。
講習スタイルは、さながら「料理教室」のようで、寄贈されたご遺体に対して参加者が講師と同時進行で手術を実体験していく。解剖組織の観察に始まり、それぞれの治療部位ごとに、多彩な執刀手技を学んでいくスタイルは、他の解剖研修では決して真似ることはできない。講師の指導医が実演後、同じことをすぐ執刀・施術してやってもらい、問題があればその場で解決する。

「美容の手術で最も大事なものは、デザインである」と11月開催された第12回 JAAS美容外科解剖・執刀トレーニングで山本講師は力説する。しかしこのデザインさえも、実際に検証するという機会には、なかなか恵まれないというのが現状だ。このデザインから始まり手術の実際を検証することに欠かせないのが、さながら生きているかのような寄贈されたご遺体である。このご遺体こそ主催側が最も苦労する問題だが、十数回にわたる実習を行い多くの医師、歯科医をミッション団として送ってきた経験と信頼から、解剖施設Hoffen側も最高の状態の検体を提供し続ける。現在、Hoffenと提携する日本の窓口はJAASであることはいうまでもない。
費用と渡航日数がかかるハワイ、グアムなどに解剖実習を行うケースもあるが、コストがかかる割にはその検体の状態は最良とはいえない。実際、今年1年でハワイに参加し、その後JAASの大連にも参加した美容形成医は「フレッシュさにおいて中国のご遺体はハワイに負けず劣らない」と感想をもらしている。また、ともすると実習のやり方が講師の独りよがりになってしまい、初級者にとってトレーニングが「消化不良」になってしまうミッションが少なくない。その点JAAS側では、指導医が丁寧できめ細かい教え方と「料理教室」さながらの研修スタイルを貫いていることが最大の特長であることは前述のとおりだ。

一方、JAASではすべての実習でその解剖の手順と内容を、実習日前日の講義の中での話し合いで決めるというからおもしろい。もちろん骨格となる内容は事前に決めているが、「参加者のリクエストも反映したい
」ということがその理由のようだ。たとえば、1山本講師による第12回解剖トレーニングでは、上眼瞼手術デザイン、上眼窩脂肪の同定方法、切開重瞼術の実際、眼瞼下垂手術の実際、眉毛下切開術の実際、経結膜脱脂のデザインや方法、ピットホールと言われる下斜筋の同定、経皮下眼瞼形成術のデザイン、鼻尖軟骨縫縮術の実演・検証、鼻翼形成術の実演・検証、頤形成に重要な頤神経の検証であった。当日は、これに自由実習が加えられた。
自由実習では鼻シリコン(山本医師提供)挿入術、顎シリコン(山本医師提供)挿入術、スレッドリフト術を実際に体験されている先生や、顔面神経の同定をされている医師、上眼窩神経の同定をされている医師、鼻中隔延長術をされている医師などさまざまだ。

また実習中に「眼瞼下垂手術で術後経過が思わしくないが、どのようなことが考えられるか?」という問いかけに対し、検体に対し質問者が自分の術式を見せ、それに対し山本医師から「挙筋腱膜の瞼板固定の甘さ」が指摘されるという光景もみられた。質問した医師には、これだけでも実習に参加するに足る内容であった、とのコメントもあったほどだ。
このように終始『実際の手術では何が必要か』ということにポイントがおかれ、解剖実習が講師と同時進行で手術を体感できるトレーニングは他に類を見ないであろう。

来年2013年もまた、春、秋にこの解剖トレーニングが開かれるがすでに、11月29日(金)30日(土)12月1日(日)の3日間の解剖実習コースは決定している。(過去実施されたレポートはJAAS公式サイトhttp://www.jaas-online.comに掲載中。来年春、秋の追加日程は1月に決定される)


2013年11月
JAAS美容外科解剖・執刀トレーニング


DR山本と同時に執刀トレーニング(中国大連HoffenBio)

11月29日(金)
○東京・大阪など各自、大連国際空港へ
○PM1:30 送迎シャトルにて市内シャングリラホテル(4星)へ チェックイン
○PM3:00〜4:00 希望者のみ市内観光
○PM6:00〜8:00シリーズ補習を兼ねた講師
「上眼瞼形成術」「下眼瞼形成術」「フェイスリフト」「鼻形成」「鼻骨削り」「フィラー注入」それぞれのの美容解剖学と各種術式、修正症例・初期症例など適応を比較しながら最適なオペレーションを解説
美容外科・形成外科・美容皮膚科 (医)豊季会 山本クリニック院長 山本 豊MD
○PM8:00 市内にてWelcomeDinner

11月30日(土)
○朝食後7:30 ロビー集合、送迎車にてHoffen Bioへ
○AM9:00 トレーニング準備・ご遺体に黙とう
○AM9:30—PM12:30 Dr山本による同時進行での手術体験(執刀プログラム)上眼瞼・下眼瞼のデザイン、解剖、切開、縫合などを執刀
○PM12:30〜1:00 昼食・休憩
○PM1:00〜3:30  Dr山本による同時進行での手術体験(執刀プログラム)
フェイスリフト(切開・スレッド)のデザイン、解剖、切開、縫合などを執刀
○PM3:30〜5:30  Dr山本による同時進行での手術体験(執刀プログラム)
鼻形成術、鼻骨削りのデザイン、解剖、切開、縫合とフィラー注入体験
○PM5:30 送迎シャトルにてホテルへ シャワー入浴・休息
○PM8:00〜 Farewell Dinner 交流会(修了トロフィー授与)
○ホテルへ (泊)

12月1日(日)
○AM9:00朝食後 チェックアウト 送迎シャトルにて市内ショッピング
○PM12:00 大連国際空港へ 解散 各自フライトに搭乗

■参加対象 美容整形・皮膚科、形成・整形外科、眼科、内科・婦人科系の医師および美容医療併設の歯科医(JAAS会員・非会員問わずすべて対象)

■講義・実習 金曜日:シリーズ5回+αの補習講義(3時間)、日曜日:解剖およびDr 山本と同時執刀トレーニング実施(7時間)・2人1献体

■修了認定トロフィー発布・資格取得 DR山本から終了後参加者全員に授与JAAS・JSCAM会員は認定医履修の6単位も授与

■参加費用 DR山本シリーズ受講経験者262,500円、シリーズ初参加者283,500円(献体他解剖に関わる諸経費、実習費、指導費、宿泊代2泊シャングリラホテル(4星)、金曜日夕食、月曜日朝、昼、夕食、土曜日朝、昼夕食、月曜日朝食、移動におけるシャトルバス送迎、航空代金は各自ご負担)

■主催:JAAS日本アンチエジング外科美容再生研究会・事務局TEL03-6222-3121




(JHM107号より)
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