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第7回DR Lim Jong hakの美容整形術 「プチ形成の域を超えた DUAL LIFTのリフティング術」 [JHM]

[ 2012/10/12 ]
DUAL LIFTがHANAKO術、Quickリフト術、Vリフト術の3つの施術を代用する


先ごろ開催された第7回DR Lim Jong hakの美容整形術「プチ形成の域を超えたDUAL LIFTのリフティング術」で、Lim医師の術式に参加した受講者からは驚嘆の声があがった。日韓の美容形成外科に長く携わり、今なお精力的に新たな術式を考案、臨床に応用するスペシャリストLim Jong hak医師(Kairos Aesthetic Clinic院長)が、考案した治療術「DUAL LIFT」はもはやプチ形成の域を超えたとも言っていい。いわゆる韓国版美容鍼灸針(針つきスレッド)をLim医師のアイデアをもとに、特殊な製造工程から改良した「DUAL LIFT」は、従来のLim医師オリジナルのHANAKO術とQuickリフト、Vリフトの3つのリフティングが施術できる。改良された鍼灸針つき特殊糸(特許申請中)は、すでにLim医師によってKFDAから認可を得ており、日本で初めて公開されたもので、その治療効果は従来法に比べて飛躍的にあがった。
当日の鼻形成とフェイスリフトそれぞれのモデルの仕上がりがその効果を証明している。午前の部の講義編では、リフト効果は認められるものの、その作用機序について明確で体系的な理論が乏しかった美容鍼灸リフトについて、顔面挿入における皮下組織での機械的な刺激、組織損傷や線維化現象を細胞レベルからメカニズムを解き明かし、論文として日本語で受講者に配られた。近々この報告は学術論文として正式に発表されることになっている。




たとえ低侵襲の施術でも解剖学を熟知しなければ、美容形成の治療はしてはいけない!とするLim医師の信念は、今回のライブでも踏襲された。午前3時間あまりを使って行われた講義では、解剖講義の時間に多くを割いた。

とりわけ鼻解剖やフェイシャルナーブ、血管走行そしてLayerについては十分すぎるほど丁寧な解説を加えた。またフェイスリフトや額では神経走行に注意するための「ランドマーク」についても具体的な注意点を投げかけながら、今回のようなスレッドリフティングでは直接触らないリガメントについても、その層と構造を覚えておく必要性を強調した。

そして新治療術「DUALLIFT」について論を進めていく。まずは、この「DUAL LIFT」と命名されたLim医師開発による針つきスレッドが従来のHANAKO術とQuickリフト、Vリフトにとって代わる施術であることから、3つのリフティングのポイントを解説した(本稿の文末を参照)。そして今までJAASライブ講習会では一切公開していない「Quickリフト、Vリフト」の動画を放映しながら、このDUAL LIFTがQuickで行う側頭筋での最少切開をせずに同等のけん引効果と固定力をもつこと、また従来のVリフトに比べて飛躍的にけん引力がアップすることを述べた。
「DUALでは首のしわにも十分適用し、ゴルゴーラインの消去など従来のスレッド法では難しいリフトも可能になる」と指摘したように、午後に行われたフェイスリフトでは見事にこのことが立証されることになる。

講義はHANAKO術の特長とその術式、症例についても続けられた。
DUAL LIFTの肝、その特殊糸の説明では「すでにKFDAから認可と得て、現在特許申請もしている」として、スライドを使ってその構造を示した。しかし特許申請ということもあり、突っ込んだ構造の解説は避ける(ライブ講習の性格上受講者のみに解説されたため)。
簡単にいうと、糸はVリフトの埋入糸に新たなアイデアを加え、埋入時によりけん引と固定を強固なものにするために、QuickLiftで考案した独自の特殊コグをつけている。ただ、このコグの配置や方向が極めて特殊で理にかなった構造をもつ(具体的には控えさせていただく)。針の中に収まっている糸は埋入されるとU字状に皮下に残る。固定せずそのまま皮下に残す。埋められた糸はLim医師が好んで使ってきた吸収糸であることはいうまでもない。

製法は一見簡単に思われがちだが、針の内径に収まる糸はその太さや突起におのずと制約があることは容易に想像できる。糸の形状によっては埋入針を抜くと同時に抜けてしまいかねない。困難を極める製法の問題点を製造会社との共同開発で解決したという。

一方で、リフト効果が認められるものの、その作用機序について明確で体系的な理論が乏しかった美容鍼灸リフトについて、この講習で初めて示された。顔面挿入における皮下組織での機械的な刺激、組織損傷や線維化現象を細胞レベルからメカニズムを解き明かし、Mechanotransduction(細胞力学信号変換)という生体反応から説明した。近々この報告は学術論文として公開される(受講者のみに公開前の論文を日本語で配布した)。

ライブ講習会は、午後場所を東京皮膚・形成外科(旧:銀座いけだクリニック)に移し、オペレーションの公開となる。
2人のモデルにそれぞれフェイスリフト、HANAKO術が行われた。デザインでは施術後のけん引を予想しながらのマーキングを参加者にみせ、一方でLim医師の美的センスの高さに受講者からは感嘆の声があがる。施術前にエムラクリームで麻酔を施したが、モデルの施術中の痛みを最小限に抑えたいというLim医師の配慮で、頬骨下と顎の4点に神経麻酔を実施した。

DUAL LIFTで使う特殊針付糸は、HANAKO術では2.5cm、フェイスリフトでは9cmが埋入された(HANAKO術で6本、フェイスで6本埋入したが1本で逆U字の糸が2本埋入されるので12本の埋入となる)。フェイスリフト、HANAKO術のライブでは説明をしながらの施術となったため費やした時間は実際のオペよりも長めとなったが、実際にはフェイスリフトで両側20分、HANAKO術で10分と従来法に比べ圧倒的な時間の短縮をはかれる。

フェイスリフトでのゴルゴーラインの消去と見た目にもわかるほどの両側のけん引力は、参加者が納得の顔をみせたことでも、その治療効果の高さはうかがえた。もちろんVリフトの比ではない。また老化に伴って頬骨がこけ、たるむ現象に対して、このDUAL LIFTは適用症例になるとして、Lim医師はモデルの頬骨部にいわゆる「りんご型」隆起をつくってみせた。




次にHANAKO術のライブにはいる。
従来法のHANAKO術の糸挿入に比べ、このDUALではみていてもその施術方法が簡単で受講者からは「すぐにでもクリニックで実施できる」と手ごたえを感じていた。
また今回のDUALを使ったHANAKO術では、従来のPRPや脂肪注入の代わりに、韓国製ヒアルロン酸製剤「HAifeel」を使って鼻背部のかたちを整えていった。その際、Lim医師は、皮膚の外側からではなく、鼻腔からヒアルロン酸を注入した。この手技、日本ではめったにみられない。
「鼻背部の注入は外側からよりも鼻腔からの方がヒアルロン酸が均一にはいり、デコボコにならない」
そしてこの手技で注意しなければならないのは、血管や神経に針が当たらないようにすることだと解説した。そのために、針は鈍針を使うことがいい、と強調する。

もちろんLim医師の高い技術があってこそ可能な手技であることはいうに及ばない。
このヒアルロン酸注入術、実は歯科医が口唇周辺の注入を行う際に、口角から口腔内に針を刺して、ほうれい線、頬骨下、マリオネットラインや顎のシワの修正する治療でも応用できるという。こうしたことからJAASでは11月18j日(日)に歯科医のためのヒアルロン酸注入術のライブ講習を行う。美容形成医でもこの術式を知るドクターは多くないことから、医師の受講も歓迎している。
HANAKO術の仕上がりはフェイスリフト同様、完成度の高い鼻尖形成と鼻筋をつくった。


◎過去にDr LimのHANAKO術、Quickリフト術、Vリフト術(ハイブリッド)を受講された先生方に限り、今回の「DUAL LIFT」ライブを収録したDVDを特別に廉価(およそ3時間:15,000円)にて提供します。ご希望の方はJAAS公式サイトhttp://www.jaas-online.comの問い合わせ欄よりお申込みください。

HANAKO術、Vリフト術
2011年春から始まったJAAS日本アンチエイジング外科・美容再生研究会によるDR Limの美容整形術LiveSurgeryは、驚異の鼻プチ形成[HANAKO Rhinoplasty]、従来法の長所を生かし欠点をカバーした[Qiuck Lift]術のテクニック、さらには「ハイブリッドV-リフト&皮膚再生術」と通算6回を数えといる。ライブ講習会では毎回のように「高い効果と安全性そして何よりも術後に明らかな改善効果をみせ、その後崩れない」治療テクニックに、高い関心を呼んでいる。HANAKO術では、コグつきの吸収糸を使い、特殊なニードルで針孔を開け糸を埋入して糸を出すというもので、鼻尖をあげ、鼻背部にも同じように糸を埋入していく。高いけん引力と、崩れない鼻尖と鼻中隔の延長をも可能となる。いわゆる「Scaffold(足場)」理論を、HANAKO術に応用するために、骨格となる糸がポイントとなる。
一方Vリフトを進化させたハイブリッドVリフトでは、片側に長・中・短の針付き吸収糸を半顔に50本埋め込む。この埋入によって皮膚の幹細胞を刺激し、繊維化細胞を産生させコラーゲンやエラスチンの新生を促すことになる。ポイントとなる針(26G,29G、30G)の内筒には糸が通されており挿入後、針を抜くと外側に留めてあるポイントが針穴でブロックして、糸が埋入されることになる。
術式は至って簡単で、けん引の方向を考えながら糸を埋め込んでいく。ここでLim医師が強調したのは、「皮下の組織解剖を考えながらアンカーポイントを決めること。そしてSewing Technique」がこの施術の肝だとして、縫うように糸を挿入し、hypodermal layerとdeep dermal layerを交互に進入させていくコツを公開した。従来のスレッドに比べ、埋入に要する時間や埋入する皮下のLayerなどテクニックとしてはさほど難しくはない。美容医療のビギナーにとってはすぐにでも治療メニューに組み込める施術法だ。リフティングはもちろん、タイトニング、皮膚のツヤ、たるみの改善など適用範囲が広いこともありがたい。



(JHM106号より)
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