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DNAで目鼻立ちを特定 [JHM]

[ 2012/10/11 ]
オランダ・エラムス大ら研究チームが5種類の遺伝子見つける




指名手配犯が美容整形で顔を変える!こんな話は刑事ドラマだけに限らない。実際に過去の犯罪捜査でも手配犯のゆくえを追って、刑事が美容整形クリニックに照会を求め、医師が協力したケースは少なくない。

しかしこうした捜査では、手配犯の顔がわれていることが前提であることはいうまでもない。元の顔がわかっていれば、あるいは容疑者の似顔絵さえあれば、美容整形で顔を変えても、容疑者は捜査から逃れられない。

では犯人の顔がわからず、似顔絵さえも書けないとしたらどうだろう。捜査はさらに難しくなるはずだ。
先ごろ、この捜査上の壁を突破できる新たな研究成果が発表された。
GWAS Finds Genes Associated with European Facial Features—こんな研究論文が先ごろ、米科学誌PLOS GENETICSに掲載されたからだ。


3次元解析で個人差ある目の間隔、鼻の高さなど相関

目の間隔や鼻の高さなどに影響を与える遺伝子5種類を特定し、そのDNAから個人差がある部位と顔の形を3次元測定の結果とあわせて解析。顔の形、目鼻立ちなど人それぞれの顔の特長が正確にわかる可能性を見出した。オランダのエラムス大を中心に国際研究チームが行った研究で明らかになった。
研究調査では、オランダ、ドイツ、オーストラリアなどに在住する欧州系5400人にMRIで鼻から上の顔27か所の位置関係を測定して、DNA塩基配列の個人差がある箇所256万か所との関連性を調べた。その結果、5種類の遺伝子を特定したという。


DNA採取だけで、犯罪捜査での似顔絵づくり!?

1番染色体のPRDM16遺伝子、2番染色体遺伝子PAX3、3番染色体のTP63、5番染色体のC5そして10番染色体のCOL17A1遺伝子であることがわかった。
この解析結果をもとに、オーストラリアに住む調査対象人では5種類のうち少なくとも2種類の遺伝子で、有意な相関性を認めている。また、イギリスでは2,337人のうち1,530人がこの相関関係において一致したと発表している。

研究チームは、無症候性唇裂などの顔の奇形症例でも、今回の遺伝子の特定とその予測から同じような顔のパターンとして捉えられると報告もする。
今まで目や髪の毛の色は、DNAから高い確率で予測できるようになっていたが、今回の研究成果は将来、犯罪捜査線上に浮かぶ容疑者のDNAさえ採取できれば、より詳細な顔の特定が可能となるという。
そして、犯人のゆくえを追って、場合によっては美容整形クリニックに捜査の手がはいることになる。
*お断りするが、美容整形の門をたたく犯人は、事件後警察の捜査がはいる前であり、何ら問題はない。捜査前であっても、もちろんクリニックでも正当な問診とカウンセリングをした上で美容整形施すため、容疑者であるかどうかは当然その時点でチェックする。犯罪に加担しているかのようなTVドラマのイメージは誤りであることを本紙では強く主張する。

いくつかの事件では、逆に美容整形クリニックからの情報が指名犯の逮捕に至ったケースもあり、多大な社会貢献をしていることを付け加えさせていただく。



(JHM106号より)
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