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Made in Korea 美容整形クリニック探訪 その三 [JHM]

[ 2012/1/13 ]
韓国・ソウル江南区 MyoungEyePlasticSuegery

時代は後戻りはしない。日本に学び、追いつけ追い越せ!と邁進してきた韓国に、かつて美容医療の世界でもその技術を伝授してきた日本だが、いまやその整形術が彼ら韓国の医師によって独自のスキル「Made in Korea」となって生まれるものが少なくない。技術立国として戦後、世界マーケットをけん引してきたMade in Japanとしての輝かしい時代をつくってきた日本も、最近その影は薄い。美容医療の分野もまた例外ではない。施術に対する研さんとあくなきアイデアの探究、そして熾烈な競争の中でこそ生まれる、患者への治療効果と満足度に対する美容術の進化と発展が、彼らのモチベーションをさらにあげるのだろう。先達の日本の美容整形医のかつての教え子たちが勇躍、アジアでの評価をあげる。しかし、技術を伝承したかつての時代を回顧しても始まらない。いま再び、日本の美容医療の技とその美的センスを海外に輸出する時である。時代を後戻りするのではなく、時代をリードしていく日本の美容医療界にエールを送る意味でも、韓国の美容整形医そしてクリニックを探訪しながら、そのヒントを探してみたい。シリーズ3回目は韓国ソウル・江南区の中心街に開業するMyoung Eye PlasticSuegery院長のChoi Woong Chol医師を訪ねた。


人柄、実力一級品!眼瞼形成に特化するChoi医師



人柄はぴか一、、その真摯な態度と誠実な対応、温厚でやさしい性格は上下関係に厳しい韓国の美容医療の世界にあって、40代半ば過ぎの年齢にも関わらず、人望は厚い。多忙な日常の診療の傍ら、専門の眼科、美容外科系の学会などで要職を務める。ソウル・江南区の中心街に開業するMyoung Eye PlasticSuegery院長のChoi C Woong医師だ。
尊父は高齢にも関わらず今でも、韓国第二の都市・釜山でクリニックで開業、現役の医師として活躍する。南北朝鮮の動乱をくぐりぬけてきた家族の中、Woong Chol医師自身、幼少期の苦労は言い知れぬものがあると聞く。
医師の家系そのままに、病の人々を救うドクターをめざし、韓国ソウルにある医科大の名門・カトリック医大に入学。インターン・レジデントと続く一人前の医師になるための過程を経て、はれて眼科医の道を進む。日本では医師免許を取得後、研修医制度を経て本格的な臨床医となるが、韓国では徴兵制があるため、早くて30を過ぎてからというのが一般的だ。もちろん彼も例外ではない。
人柄と実力、そして医療技術に優れていることから、多くの学会の要職に就く一方で、眼瞼形成術のエキスパートとして韓国行政府から評価を得て、国内クリニックの治療技術・サービスの向上をめざす指導的な眼瞼形成医に選任されている。
メディカルツーリズムで海外からの患者獲得をめざす韓国にあって美容医療も例外ではない。国策として取り組む美容医療レベルの底上げはうらやましい限りだ。

JAAS日本アンチエイジング外科・美容再生研究会が発足間もない時期、海外顧問の任を快く引き受けてくれた。そして一昨年そして昨年と2度にわたり来日、その特異なオペ術について講演している。また一方で自らのクリニックを解放して、10名ほどの日本の医師を集めたJAASミッション団に、上下眼瞼形成の優れた治療術をみせてくれた。
さて、クリニックは美容医療のメッカ・江南にあり、ほぼ中心街にある一等地に構える。広いフロアーは受付を共有して、保険診療とレーシック治療を行う医師とシャアしている。日本と違い大規模なチェーン展開がない韓国では、とくにソウル市内で独立系の競合が激しい。家賃、宣伝費、人件費など日本の都心にも匹敵する高いランニングコストゆえ、こうした共同経営が当たり前だという。
そんなクリニックをシェアする医師と7年前開業したChoi医師、眼瞼に関する美容形成に特化してきた。Eye Surgeryにのみこだわり、OnlyOneの治療方針を貫いてきたことが、韓国国内の景気低迷に影響されることなく、今でも順調な経営を維持する要因なのだろう。最小切開による二重術、眼瞼下垂の修正、下眼瞼のたるみ、クマ、脱脂など、ツーリズムで来韓する日本からの患者も少なくない。
もともと日本に比べ治療費も3分の二程度。その上、円高ウオン安が追い風となり「安くて上手な美容形成」をうける日本人にとっては願ったり叶ったりというところか。


Tear Surgery、三白眼治療など独自の術式開発

Choi医師の眼瞼形成術はすでに6000症例を超えるカルテNoを数える。
実は先生、最近ではTears Surgery(涙眼)の治療術に意欲を注いでおり、患者は後を絶たない。日本の大学からも研修に訪れるというこの術式は、Choi式の三白眼治療と並んで、今やChoi医師のトレードマークになっているほどだ。
本来、涙腺から鼻腔に一部の涙が流れていく経路がブロックされた末、過剰な涙が目から流れて行く症状に対して、バイパス手術によって回避していくものだ。
治療部位には解剖学上、危険な神経、血管の走行があるため、高度な技術を要する。韓国のみならず日本にもこの症状をもつ患者の潜在需要は高いという。
Choi医師を語るうえでもう一つ特長的なことがある。
自称・他称“解剖オタク”と言われるほど、理論そして実践の美容解剖学には詳しい。その部位は眼瞼だけに留まらない。KSAS、KCCSなど韓国の美容外科学会に、日本側としてJAASが加わったCadaver Workshopでは、講師と解剖実習の指導医として彼がいない時はない。かつて浜松の聖隷病院に研修医として赴任した経験を通じて親日家になったことから、日本の医師には熱心にコーチングをしてくれた。
この連載で取り上げる韓国の美容外科医は例外なく、解剖学の必要性を熟知しており、彼もまたそのひとりである。日々の臨床経験を積み重ねながら、1年に1回2回と機会があれば、こうした解剖実習に赴き、指導と共に、自らの美容形成術のスキルアップに余念がない。時には、新たな術式の確認作業をしていると聞く。
臨床経験と症例の蓄積、CADAVETRによる解剖・執刀、そして術式の再確認と検証という反復勉強が、より安全でより治療効果の高い美容形成術を生み出しているといえよう(Choi医師や本稿紹介のLim医師、Lee医師らの出会いによって、美容医療の研さんは公開ライブ、体験ライブに加えて解剖実習が不可欠とする考えがJAASに生まれ、発足以来こうしたカリキャラムを設け活動している)。
そんなChoi医師、日本来日から1年のブランクを経て、明年、3回目のJAAS講演を行う。
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(JHM102号より)
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