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第9回JAAS美容外科解剖学実習 in 大連 [JHM]

[ 2011/12/28 ]
山本・美容整形塾6回Training Courseの手術内容を、講義・実習でおさらい

Fresh CADAVERで手術を実体験、指導医山本DRと共に執刀トレーニング




JAAS日本アンチエイジング外科・美容再生研究会による第9回「美容外科解剖実習」が、さる11月13日—15日の3日間、中国大連のHoffenBio解剖施設で行われた。指導医師には山本 豊MDと特別参加した久保 隆之MDがあたり、過去8回にわたる解剖実習にはない「指導医と共に同時進行で執刀トレーニング」を実施する初!の実習プログラムとなった。今回の解剖実習は、山本DRの「美容整形塾」シリーズの集大成と位置づけられ、美容整形術のほぼ8割をカバーする治療範囲と手技について、この1年5回にわたり続けられたライブ講習会の内容にほぼ準拠した実習カリキュラムとなった。寄贈献体(Fresh CADAVER)の関係上、豊胸術ははいっていない。実習前日には、第1回の重瞼切開術と目頭切開に始まり、適用の異なる下眼瞼形成2症例(第2回)、最小切開フェイスリフトと眉毛下切開での上眼瞼リフト(第3回)、鼻尖・シリコン隆鼻・鼻翼形成による4症例(第4回)と続けてきたシリーズの内容が復習を兼ね講義された。しかし、解剖実習の流れや具体的な実習内容を参加医師の希望を聞きながら決めるという、ライブ講習で貫いてきた山本塾の真骨頂である『参加型プログラム』が、この講義でも発揮された。



今回の講習会の最大テーマは、1年の総復習と手術に即した実践解剖実習であった。総復習とはいえ、シリーズ初参加の医師もいたため、具体的な講習内容に関しては議論の余地があるところであった。
そこで、1日目の講義の中で1年分のテーマについて角度を変えて検証しつつ、解剖実習の流れや具体的な実習内容を参加者の希望を聞きながら決めるというまさに『参加型プログラム』を通してきた山本塾方式での講義展開となった。講義内容を簡単に紹介すると、上眼瞼の重瞼術、リフト術、下眼瞼リフト術、隆鼻術、鼻尖形成術、鼻翼形成術、フェイスリフト(ミニリフト、トータルリフト、全額リフト)と項目だけでも多岐に及ぶ内容であった。
さらに、総復習も兼ねるという観点からJAAS理事の久保医師も講師として急きょ参加し、山本塾では過去の講義で話題とならなかったバッカルファット摘出術に関しての詳細な術式説明や、日本有数の症例数を誇る同理事ならではの下眼瞼手術のコツなどプログラムにない内容も講義され、広がりのある内容になった。 
その後の夕食・懇親会では、学生時代の修学旅行をほうふつさせるような楽しさであったとのコメントも参加者から寄せられ、参加者間の親睦も深まり、主催者側としても満足のいくものであった。


想定外!?のカリキュラムも
(久保医師)バッカルファット摘出術、(山本医師)口腔内切開でオトガイ神経確認




2日目は、朝7:30ホテルロビー集合という早い時間にもかかわらず、遅刻者が1人も出ずに、参加者の熱意が感じられた。解剖実習会場までのバスの移動中も活発な討論が行われ、解剖実習の具体性が高まった状態での会場到着となった。



解剖実習は、久保理事の『黙祷』の言葉とともに、御献体に対する深い感謝をもって始まった。まず、久保理事みずからバッカルファット摘出術を披露し、術中の注意点、出血ポイント、麻酔量、患者さんに対する説明等詳細な説明が行われた。続いて山本医師が経結膜脱脂の実演を行ったが、この際も久保理事より詳細なコメントが加えられ、参加者からは感嘆の声が聞かれた。さらに経皮的下眼瞼リフト術を行うとともに、手術中には確認困難な下斜筋の同定まで行い、手術合併症を起こさないという一貫したテーマも健在であることが確認された。
上眼瞼では切開重瞼術の際の挙筋腱膜の同定法、重瞼ライン作成法等が披露されるとともに眉毛下切開ラインからの脱脂術についても確認された。この際に眉毛下切開のデザインが示され、デザインについての検討が活発にされていたことも印象的であった。鼻の解剖では、実際のシリコン隆鼻術を想定し、全員で剥離後に鼻正中ラインで切開を加え、この剥離層に誤りがないかの検討も加えられた。さらに、鼻骨形成や耳介軟骨摘出術を体感するというところまで講習内容には広がりが出た。

 

また、山本医師独特の鼻尖軟骨縫縮術を全員が体感するよう実際に寄贈献体の軟骨を縫合し、鼻尖の形状変化がどのように起こるのかという検証も加えられていた。鼻翼形成術(小鼻縮小)でも、縫合位置による鼻翼の形状変化が詳細に知ることが出来、こうした検証が、非常に意義深いものであったことは間違いない。

 

昼食をはさみ、午後の部では、リフトに関する講習が総括的に行われ、術中損傷の可能性がある神経、血管の露出をし、どの深さや場所に何があるのかというイメージが再確認されたことは、手術をする参加医師にとっては何よりの内容であったのではないだろうか。



前日の講義で決められた内容はこのようなものであり、これらが終了した時点で、参加者の間には達成感がみなぎったが、時間的な余裕があったため、山本医師からは『蛇足ですが』との前置きとともに、下顎部シリコン挿入術に必要解剖であるオトガイ神経を口腔内からの切開アプローチで確認し、解剖・執刀トレーニング講会は締めくくられた。

まだまだ紙面では伝えきれないほどの充実した解剖実習となったため、参加者全員が大満足であったことは疑いがない。この後の懇親夕食会も和やかな雰囲気とともに進み、大成功であったことを主催側は確信した。



(JHM102号より)
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