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DR久保の美容医療入門 [JHM]

[ 2011/10/11 ]
第4回「他科から転身、自費部門を考える保険診療医のために〜すぐ身につく軽度な眼瞼下垂修正術2症例LiveSurgery」



メスを使わない下眼瞼脱脂、クマ・たるみ取り「EYE DESIGN」治療に、日本のみならず広くアジアから患者が押し寄せる。術者の久保 隆之MD(銀座CUVO)の名は、患者から患者にその評判が口コミで広がり、瞬く間にカルテ番号は6000番を優に超えた。低侵襲でしかも治療効果が歴然とわかるこの「EYE DESIGN」、実は脱脂術に留まらず眼全体を大きくしてしまう「開眼療法」の別名をもつ。JAAS理事の一人でもある久保医師が、美容医療を学ぶ後継の医師のために、先ごろ自らのテクニックをLive公開した。手術頻度が高い半面、低侵襲でも美的センスが求められる軽度な眼瞼下垂修正術を、埋没糸を使ったプチ修正と新しいRF電気メスを用いた最小切開法での眼瞼挙筋の縫縮術の2症例伝授した。



トレードマークの「EYE DESGN」は、今回は封印したかたちとなったが、午前の部の講義編の終番では、もっぱら受講者らから下眼瞼形成に質問が集中して、久保講師が動画を交え予定外の「EYE DESIGN」の説明に入った。午後の下垂修正のLiveを終え、参加者からは引き続き下眼瞼形成へと関心が集中。来年には、Live方法を制約しつつ「EYE DESIGN」の公開を久保医師は検討するして講習を締めくくった。



「美容の世界では技量と共に、ある意味アーティストとしての美的センスが重要であることは言うまでもない。しかし現実には、医療業界という狭い世界の中でその評価の優劣が競われている。医師の評価は患者さまが決める!ということをゆめゆめ忘れてはならない。そのためにもまずは、自らの美的センスを技術と共に磨きたい」と、本紙にかつて寄稿してもらった久保 隆之医師。トレードマークEYE DESIGNで、一躍日本そしてアジアにまで、同医師の眼瞼形成術が知れ渡るようになった。技術もさることながら、その術後をイメージさせたデザイン力には定評がある。
そんな久保医師が、シリーズ第1回目として軽度な眼瞼下垂修復術に加え、BOTOXによる小顔術を講義とLiveSurgeryによって公開した。他科から美容医療に転身したい、またはまだ日の浅い先生そして保険診療を行いながら、自費部門として美容整形外来を考えている医師からの参加を呼び掛けたが、当日は、多くが経験者の参加(美容整形・形成9名、整形外科1名、眼科4名、内科1名)となった。しかし会場のUDXヒラハタクリニックは参加定員人数と講師、看護補助2名で供覧スペースはいっぱい。ライブ中継用のモニターを設置して、マイクロサージェリーの様子を同時に映し出した。



講義では、今回の術式を久保医師が解説。その中で、加齢に伴う眼瞼下垂症状は視野狭窄などの視覚機能障害をのみならず、機能低下した眼瞼挙筋の代償に前頭筋を用いて眼瞼開大をはかろうとするため、肩こりや頭痛など不定愁の原因ともなることを指摘、また、美容医学的見地からも下垂した上眼瞼や、眉毛挙上させて眼瞼開大をはかる際に発生する前額部のしわは、客観的に老化兆候を強く感じさせる主たる原因となる、と述べた。
こうしたことからこのライブ講習では、切開法による一般的な眼瞼下垂改善のための治療(眼瞼挙筋を短縮した上で眼瞼挙筋と瞼板部の弛緩部位を再縫合する)に加え、軽度眼瞼下垂症状患者に適応できる埋没糸による手技についても公開していくとして、埋没糸法では、上眼瞼結膜面からアプローチする眼瞼下垂改善治療で、7−0ナイロン縫合糸を用いて、眼瞼挙筋と上眼瞼粘膜間に存在するミュラー筋(交感神経支配)に適度な緊張を与えることで眼瞼挙筋自体の機能を改善させため、皮膚切開法に比べ治療直後から腫れが少なく、早期社会復帰が可能となると説明した。
さらに、講義は切開法による一般的な眼瞼下垂改善のための治療に移った。
「下垂修正では、人によって左右差がある。どちらかというと右の方が重症のケースが少なくない」とした上で、左右差を抱えた症例を治療したかつての経験をもとに、あえて失敗症例を提示した。眼瞼形成スペシャリストとなった同医師でさえ、かつては失敗を経験しそれがスキルを磨くエネルギーになっているというからおもしろい。習うより慣れろ!とは美容医療こそ、当てはまる教訓といったところか。
また、下垂修正のカウンセリングでは、保険適用の診断をくだすことの難しさを強調した。



一通り、下垂修正の講義が終わり、久保医師の「眼瞼下垂で来院する患者さんには、上眼瞼ではなく下眼瞼の脂肪除去を薦めるケースが実は多い」と発言したとたん、参加医師からは下眼瞼形成の質問が殺到。久保医師の真骨頂、EYE DESIGNへと講義が急きょ移っていく。
上を治すのではなく下眼瞼を治療して開眼させるとうヒントを、「下眼瞼の脱脂によって、眼球が上転するというメカニズムがある。海外の臨床論文もあります」と説明すると、受講者からは一斉に質問の嵐に。講義時間を延長して施術のポイントについてディスカッションが続く。そして本邦初のEYE DESIGNの施術動画が公開された。講習会の性格上、詳細は控えさせていただく。
(講義、Liveでは美容医療入門編とも言えるBOTOX治療術について、デザイン性が最も求められるエラ修復術に久保医師オリジナルの注入テクニックが公開された)

午後からのLiveでは、埋没糸による下垂修正、そして新しく開発されたRF電気メスを使った最小切開法での眼瞼挙筋の縫縮術の供覧が行われたが、久保講師の大胆かつきめ細かな手技に参加医師が注視したことはいうまでもない。
麻酔について久保医師は「患者さんは低侵襲のオペであっても患部が眼ということもあって、恐怖心はもつ。そこで施術時の局麻に入る前に、鎮静のためのセルシン剤を静注する」として2症例とも実施、経験の浅い医師にとっては参考となるヒントが与えられた。
久保医師からは、Live方法を制約しつつJAASとしての「EYE DESIGN」の公開を検討したいする意向が伝えられ、講習会は終了した。


【久保 隆之MD、PhDプロフィール】
1991年 国立旭川医科大卒業、翌年ニューヨーク・ロックフェラー大 臨床微生物講座に留学。帰国後、北大大学院の病理学コースで医学博士取得する。その後北大医学部・整形外科の微小整形外科を専攻しながら研修を続ける。そして米トマスジェファーソン大留学のため再度渡米、帰国後北大医学部にて整形外科研修を終了。2001年春、美容外科を専攻、修学するため十仁病院に勤務する。翌年、同病院の渋谷分院院長に就任、4年間の勤務の後、銀座にCUVO開院、現在に至る。美容外科学会他、アンチエイジング関係の医学会に学術発表多数、一方でその類まれな文筆力を活かし書籍も意欲的に出版、また堪能な語学力を発揮して掲載するDR KUBOのブログ(日本語、英語)には日本そして海外から閲覧者が絶えない。自ずと患者は国内外から集まる。久保医師の眼瞼形成術の代名詞EYE DESIGNは香港、北京、上海など中国で浸透して現地語による出版物もあるほどで、その評判からセレブたちが押し寄せている。2010年春、新旧美容医療を学び会員同士がスキルを競い合う、新たな研究会を池田医師、中間医師と3人で発足。美容関係の若き医師、他科診療から美容医療を意欲的に学んでいこうという医師、さらには美容医療部門を併設する歯科医に対して、広く門戸を広げ、その活動の中心者として尽力する。



(JHM101号より)
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