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【5】業界オピニオンの声 小出 一久歯科医師 [JHM]

[ 2011/4/22 ]
旧来のスタイルが通用しない歯科経営
だからこそメディカルエステなど美容部門の併設を



こいで歯科医院裕 課長
小出 一久歯科医師


歯科の現状は、歯科医院の過密・過剰の状態が大都市部から地方都市、さらには都市周辺部へと広がりつつあります。歯科医院経営は、二極化すなわち成功している歯科医院とそうでない歯科医院の状態が明確になり、歯科医師なら誰でも社会的な成功を収めるという旧来のスタイルが通用しなくなりました。
さらに、国は財政状態の悪化から健康保険制度における国の負担を圧縮、削減し、歯科においては診療報酬のマイナス改定とレセプトの審査強化、高点数指導の導入・強化により保険診療では医院の経営、運営がとても難しくなってきています。
医科にも今春より高点数指導が導入され、歯科での苦い経験が医科にも波及していくことを心配しています。

私は、2008年より「歯科界、歯科医師を元気にする活動」を自分のミッションとして、その中で歯科の診療範囲の拡大を目指し、これまで無かった取り組み、新しい技術の導入を模索し
てきました。その一つとして、フィラー(ヒアルロン酸)を皮下に注入することにより、しわやたるみ、張りを改善する治療を紹介をしてきました。これは美容外科分野では、周知の治療法でありましたが、歯科においては私が公表するまでは、ほとんど取り組みの無かった治療方法でした。

私がフィラー注入療法を歯科に導入するに当たってもっとも注意したことが、現行の法律に照らし合わせて違法性がないかということでした。そこで、医師法等に精通した方と法規制に
ついて調査したところ、歯科の診療範囲内であれば、治療方法、使用薬剤などについては歯科医師の裁量権、患者さんとの準委任契約に基づいたものであれば応用可能であると判断し、臨床に応用することにしました。

さらに、これを多くの歯科医師の先生方に知っていただき、臨床に応用していた だくようにセミナーを開催することで情報発信をしてきました。
日本臨床抗老化医学会が主催する講習会やフォーラムの中でも発表する機会をいただき、さらなる活動を展開しています。

日本においては世界に類を見ない超高齢化が進行しています。アンチエイジングの活動は、単に見た目の改善のみならず生活習慣病の予防、改善においても、今後期待は益々大きくなるばかりです。

私たち歯科医師の役割も大きくなります。そうした中で、これからの歯科診療は歯科の診療範囲を順守しつつ一方で、美容、アンチエイジングに寄与できる施術を取り入れていかなければなりません。メディカルエステなどの施術部門を場合によっては、美容皮膚科などの併設も視野に入れながら、「口からの若返り」に加えて、「顔と身体の若返り」を発信できる歯科経営へと転換していくこともありそうです。
歯科医の皆さん頑張りましょう。


(JHM98号より)
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