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【1】業界オピニオンの声 久保 隆之 医師 [JHM]

[ 2011/4/18 ]
医師の評価は患者が決める
だから技術と共に、美的センスを磨くべき



銀座CUVOクリニック
久保 隆之医師



開業当初からクリニックにお越し頂いてるお客様がいる。当時20歳そこそこだった彼女は開業前に勤務していた私のクリニックにプチ整形をしにきた。開院したのが銀座という場所柄、その道で成功を収める女性も少なくない。そうした中の一人であった彼女には、その顧客にも一流の方々ばかりらしい。

クリニックに閉じこもりながら仕事をする僕などは、彼女のようなお客さんから世間の貴重な情報を入手できるまたとない機会になる。彼女のお客様についての話でふと耳にとまったのが、「お医者さんたちもたくさん来ますが、他のお客さんと比べて太っている方々が多いんです。お医者さんは裕福なので、多分美味しいものを食べているのでしょうね」というコメントだった。
若い頃と同じ食べ方をしていれば、代謝が落ち始める30代中半から太り始めるのは日を見るより明らで、太りたくなければ意識的に食べ方を変えなければならい。彼女のお店に来る一流の人たちはそういった自分への配慮をしているので、中高年層になってもそれほど太らない。
だが医者たちが一般のお客さんたちより太っている事実は、医師の美意識がそれほど高くないことを物語っている。

つい最近まで医師の仕事は特別視され、神仏と同等の聖職とされていた。それは人々が命に直接関与する病気、絶えられない痛みを治す医師の仕事に強く感謝するからであろう。したがって我々は、医療のプロとして誇りをもって仕事をすることは好ましい。そして、その対価の報酬として社会的に尊敬されそしていくばくかの経済力を手に入れることはおかしなことではない。

しかし、少なくとも美容医療やアンチエイジングに身を置く立場の医療人として、自らの健康管理、体形や身なりなどに気を使うことは忘れてはならない。
さらに最も慎まなければならないのは、医師の技量、技術を一握りの医師たちや任意に格付けされた組織の間で、評価させてはいけないということだろう。美容医療においてはなおさらだ。
この世界では技量と共に、ある意味アーティストとしての美的センスが重要であることは言うまでもない。

しかし現実には、医療業界という狭い世界の中でその評価の優劣が競われている。
医師の評価は患者さまが決める!ということをゆめゆめ忘れてはならない。そのためにもまずは、自らの美的センスを技術と共に磨きたい。



(JHM98号より)
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