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美容外科・アンチエイジングクリニックこそ、エステ導入が必須! [JHM]

[ 2010/7/22 ]


本紙94号5面に詳しく掲載しているが、5月8、9日に、新たな学会である“日本アンチエイジング外科 美容再生研究会(JAAS)”の初めてのフォーラム『第1回JAAS東京LiveForum』が開催され、若手の美容関連の医師が集い、今後のアンチエイジング医療を繁栄させるべく始動した。





また、5月17日〜19日は、国内最大の国際総合美容見本市『ビューティーワールド ジャパン』が開催され、5月19日〜21日は、今回で15周年を迎える『ifia JAPAN』が開催された。両イベントとも、出展者数及び来場者数共に年々増加しており、充実したプログラム内容は、各団体の今後の戦略の糧となり、また、情報交換をする上で貴重な場となっている。本稿では、これらのイベントを通じて、今後の美容・健康のトレンドを抽出し、紹介すると共に、本紙編集部が独自に取材した情報もあわせて報告する。


隆盛してきたヒアルロン酸注入やボトックスなどの『プチ整形』によって美容医療は一気に価格崩壊が進んだ。現在、これらの『プチ整形』についても価格競争が起こっており、“より安く”という消費行動がとまらない。

古くから美容外科医療を提供してきたクリニックでも、この潮流に追随するところも出始めている。これには長く続く景気の低迷によって、こうした美容外科クリニックで行われていた二重まぶたや隆鼻術のクライアントが減少していることも、拍車をかける結果となっている。

一方で、侵襲の高い美容外科は、トラブルの多い医療でもある。これは大学など教育機関で、正しい教育が行われていなかったことに加え、知識の無いまま、美容クリニックを開設する医師も多かったためだ。

実際に現在の美容外科クリニックを担う、若手医師が最新の技術を体験し、安全に手術を行うために日本アンチエイジング外科 美容再生研究会(JAAS)は設立された。
JAASはその名が示すとおり、美容外科医療だけではなく、アンチエイジング医療と再生医療についても、その活動の範疇としている。

消費者の認識から言えば、アンチエイジングとは、外見的な若返りを求めるものであり、本来の医学的なアンチエイジングとは大きな隔たりがあり、そのため、本格的な美容クリニックが、美容を入り口にアンチエイジングを行い、それに付随して、本来の内科的アンチエイジング医療につなげていくことは、理にかなった方法といえる。

また、これには、先述したように、美容外科クリニックのクライアント減少に対して、クリニックの来院を増やし、クライアントの抱え込みとしても有効な手段と言える。
一方、美容外科クリニックの空きベッドを利用する、エステティックの施術は、ドクターではなく、コメディカルスタッフが行うことで、ドクターの拘束時間外に利益を生むことが出来るため、クリニック経営のサポートとして、有効な手段となってきている。

それに加え、アンチエイジング医療には不可欠なサプリメントなどの物販も、同様にドクターに依存することなく、客単価を向上させる良いツールとなる。

これら、エステティックやサプリメントの最新情報が一度に収集できるのが、『ビューティーワールド ジャパン』や『ifia JAPAN』だ。今年は特に5月19日に両展示会の日程が重なったため、多くの来場者が2つの会場を行き来する光景が目に付いた。

内面美容という言葉の定着が示すとおり、健康と美容が表裏一体であることは、多くの関係者の認めるところとなっている。


ビューティーワールド ジャパン

今年のビューティーワールド ジャパンで最も驚かされたのは、来場者の増加だ。昨年までと比較して、明らかに増加している。これはエステティック業界でも、新しい情報を収集しないと、経営がなりたたなくなってきていることを示しているのではないだろうか?生存競争がより熾烈になっているといってよいだろう。

展示の内容を見てみると、美容機器でいえば、圧倒的に多数だった脱毛関連のインテンス・パルス・ライトは少数派となり、その空隙をエレクトロポレーションとキャビテーションが埋めているように感じた。

これらの機器はどちらも、皮下への作用を有するもので、エステティックでは、本来説明の難しい機器である。一方で、どちらもが医療機関から始まった施術でもある。これらの施術を、法律的に縛りのきついエステティックがどのように解説しているのかは、一見の価値がある。なぜなら、エステティックサロンの説明は、顧客の心をつかみやすく、専門用語を上手く控えて、分かりやすいものとなっていることに加え、出力の低い機器を使わざるを得ない事情から、クレーム回避のための、効果の説明など、クリニックとしても、学ぶべき点が多い。

機器の機能だけに注目しがちであるが、機能を顧客に伝える技術やその方法・ツールなども、ぜひとも注目して欲しい。



その他の機器では、RFはインディバの一人勝ち、エンダモロジーはリツビとタカラベルモントが並んでいるといったところか。
機器以外で目立った動きは、物販や用品などの、即売を行うブースの増加だ。商談ではなく、仕入れを行う場としてもビューティーワールド ジャパンが認識され始めている。
医療関連では、ビューティーワールド ジャパンの顔になりつつある、アートメイクのDr.トーム・白澤 友裕MDがアートメイクの講演とともに、眉に使用する、プロ用のライナーを発表していたことが印象に残った。
また、オーガニックゾーンの新設によって、アロマオイルやハーブなどの出展者の増加が目に付いた。




ifia JAPAN

サプリメント業界では、一般的にifia JAPANと呼ばれているが、正確にはifia JAPANは添加物の展示会であり、正確には同じ会場内に併設されるHFE JAPAN(ヘルスフードエキスポ)が機能性素材の展示会だ。

さて、こちらの展示会で目に付いたのは、セミナープログラム。この展示会では有料、無料の100以上のセミナーが会場内で連日行われているが、独立したセッションとして抗糖化についてのセミナーが開催されていたことだ。しかも、新しいアンチエイジングのコンセプトとして、時間も午後一番というメインの時間で、講師陣も日本女子大や筑波大といった最先端の研究者が発表を行っている。

セミナー関連で言えば、本紙ではおなじみとなった富士化学工業のアスタキサンチンに代表されるカロテノイドのセッションを始め、レスベラトロールやルテイン、次世代ナットウキナーゼとも呼ばれるナットウプロテアーゼ、本紙でも紹介したばかりのヤマブシタケから抽出された脳機能素材アミセノン、美白素材としてのL-シスチンなど、アンチエイジングや美容のドクターには注目のサプリメント素材の最新研究発表が目白押しだ。

季節柄注目したいのはダイエットとL-カルニチンの関連について発表したロンザジャパンのセミナー。実際にダイエットにどのようにL-カルニチンが役立つのか、サプリメントをクリニックで使用するためには、ロンザジャパンのエビデンスを抜きに、L-カルニチンは語れない。
また、細胞分裂に必須の物質といわれ、最新のアンチエイジング素材ともいわれている、ポリアミンについて発表したコンビも要注目のメーカーだ。

最新素材でいえば、欧米では古くからサプリメントとして活用されているSアデノシルメチオニン=SAM-eが出展されるなど、新しい素材は、これらの展示会では必ず見ることが出来る。こうした情報は、現地に足を運ばないと手に入りづらい。これはビューティーワールド ジャパンも同様だ。現場の臨場感とともに、その素材の専門家から得られた情報は、印象深く記憶される。ぜひともこうした展示会に足を運ぶことをお勧めする。

また、ifia JAPANに関連するブースでは、米国の標準的な食品の抗酸化値を示すORAC分析についての展示が見られた。ORACについての情報は、海外文献を読むためには、必須であろう。

日本では、抗酸化について、食品やサプリメントを摂取した後の血中マーカーなどが注目されるが、米国では食品そのものが持つ抗酸化力の研究が盛んだ。その食品の抗酸化力を測定する標準的な方法が米国ではORACといって良いだろう。日本でも数年前から測定することができるようになったこの方法は、今後、広まることによって、血中の抗酸化のデータとあわせて研究することで、より正確な抗酸化治療を行うことが出来ようになるかもしれない。

いわずもがなだが、サプリメントの中には、素材自体の抗酸化力は低いが、体内の抗酸化ネットワークを刺激して、ヒトの抗酸化力を引き出すタイプのものがある。これらの素材については、ORACでは抗酸化力は測定できない。

また、食の安全に関わる情報、例えば残留農薬や食物アレルギーについてなど、一般的な加工食品において、どのような安全管理が行われているかを知るにも、こうした展示会は役に立つ。食生活指導は、内面美容やアンチエイジング医療には必須だが、基本的な栄養素や摂取カロリーを語る前に、食の安全についての情報は、現代の日本での食生活指導には、組み込まざるを得ない情報であろう。


美容機器ピックアップ

先述したように、ビューティーワールド ジャパンでは、今年の美容機器の花形がエレクトロポレーションとキャビテーションであろう。
エレクトロポレーションについては、本紙で何度も取り上げ、繰り返し主張しているが、機器の性能ではなく、導入に用いる美容液(医療では薬剤)に注目してほしい。

なぜなら、ノンニードルメソセラピーと呼ばれることからもわかるとおり、エレクトロポレーションに使用する機器は、メソセラピーで言えば、単なる注射器に過ぎない。しかし、逆に、注射器を使用せず高分子成分を皮内・皮下に導入できる技術であることこそ、エレクトロポレーションの最大の特徴だ。注射器は医療資格者しか使用できないが、エレクトロポレーションは医療資格がなくとも、使用することは出来る。ただし、医療に準じた配慮が必要だ。

このエレクトロポレーションを効果的に使用するための注意、つまり使用する美容液と医療に準じた配慮が行き届いているサプライヤーといえるのが、ビーティフィックであろう。今年のビューティーワールドでは、本誌94号12面に紹介した痩身についての講演とともに、エレクトロポレーションを使用した小顔効果についての発表を行っている。

同社の導入用の美容液「EPエッセンス・PC」には、本来のメソセラピーでも脂肪溶解に使用されるホスファチジルコリンを主成分としている。言うまでもないが、日本にメソセラピーが上陸し、瞬く間に広まったのは、ホスファチジルコリンによる脂肪溶解の施術としてである。

今回、ビーティフィックが発表を行った小顔効果は、数値化する事が困難な研究ではあるが、方眼紙をバックに厳密に撮影された症例写真は、見るものに確実に小顔効果を実感させるものとなっている。もちろん、これらの検証は医療機関で行われ、同時に腹部への施術が行われ、CT画像も撮影されている。

この研究は10〜40代の8名の女性を対象に行われているが、8名于全員に体重の減少が見られ、うち6名については、体脂肪率およびウエスト・ヒップの周囲長で減少が確認されている。

これらの結果は5週間、わずか10回の施術によって得られた結果だということに驚かされるデータだ。

一方で、キャビテーションの機器として、ビューティーワールドで注目を集めたのが、ARTISTIC&COだ。同社の『Explode-Lipo Pro』も本紙では何度も紹介しているが、ビューティーワールドではそれに加え6種類の光トリートメントを1台で可能にする『STAR LIGHT Pro』、新たな美容液『MDシリーズ』を発表した。




そのなかでも注目を集めていたのが、新発表の『MDシリーズ』だ。キャビテーションの売れ行きが好調な同社だけに、機器メーカーというイメージの強いARTISTIC&COだが、実は直営サロンを経営するなど、ソフト面にも様々なノウハウを有している。その現場に培われたノウハウで開発された『MDシリーズ』は、『MD30 』と『MD40 』という、美容液2種類というシンプルな構成ながら、EGFやFGFといった成長因子や新潟ビタミンC誘導体APPS、リフトアップ効果が期待できるカルノシンや、最先端抗酸化物質アスタキサンチンなどを配合した、他には見られない贅沢なつくりの美容液だ。

特筆すべきは、これだけの成分を配合していながら、両製品ともパラベン及びフェノキシエタノール、合成香料、合成着色料、オイル、鉱物油、アルコールの6つの添加物を使用していないことだ。

プロが使用するにふさわしい内容なだけに、本来エステサロン関係者向けであるはずのビューティーワールド内でも、ARTISTIC&COのブースには、連日医師が来場し『MDシリーズ』を中心とした同社製品の情報交換を行っていたのが印象的であった。

当然ながらキャビテーションとRFの複合機『Explode-Lipo Pro』は、今年のビューティーワールドの話題では1・2を争う話題であったし、『STAR LIGHT Pro』は、インテンスパルスライトにRFを組み合わせ、用途別にハンドピースではなく、内部のフィルターを交換するという他にはあまり見ることのない独自性で、フェイシャルからボディまで6種類のケアが可能となっており、インテンスパルスライトが衰退する中、従来機とは一線を画した性能が、注目を集めていた。

美容外科という一期一会の医療に継続してケアをするアンチエイジングの概念を組み込み、さらには最先端の再生医療をクリニック内で実践する目的で始動したJAAS。それに加え、エステティックの施術やサプリメントが不可欠であることは先述した通りだ。今後、医療機関はこれまでと同様な情報収集ではなく、消費者目線での幅広い情報収集が必要となってくる。
そして収集された情報を医師だけでなく、クリニックスタッフ全員が共有し、クライアントのケアに当たる事が、これからのクリニック経営には不可欠だ。医師だけがいくら的確な医療を提供しても、その活動には限界がある。クリニックスタッフのサポートによる施術や物販は、美容外科アンチエイジング、再生医療になくてはならない組み合わせになっていくと本紙は確信する。



(JHM94号より)
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