JAASアカデミー
TEL
お問い合わせ
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

JAASアカデミー

一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

TEL

お問い合わせ

DNA修復を促進する唯一の物質『AC-11』 [JHM]

[ 2010/6/15 ]
先日行われた、健食原料・素材・OEM展において行われたセミナーで、会場が満員で立ち見が出て、さらに会場の外でも耳を傾ける者がいるほど注目された講演がある。遺伝子損傷の修復を促進するという表現を米国のFDAから許可されている『AC-11』というサプリメント素材の開発者、スウェーデンのLUND大学名誉教授Dr.Ronald W. Pero氏が来日し、『AC-11』について解説したセミナーだ。本稿では『AC-11』を紹介すると共に、日本のサプリメント関係者の注目を集めたセミナーをダイジェストで紹介する。

近年、美容・アンチエイジング素材として、日本でも高い注目を集めているサプリメント原料がある。『AC-11』と呼ばれる、キャッツクロー抽出物がそれだ。DNA損傷の修復を促進し、体内の炎症反応を抑制することで、真のアンチエイジングを行うことの出来るサプリメント素材といわれている。

これまでのキャッツクロー抽出物と違い、『AC-11』は、有効成分といわれていた、アルカロイドを一切含んでいない。キャッツクローといえば、免疫や関節に対する効果を訴求してきたサプリメント素材であるが、『AC-11』は、遺伝子損傷の修復という、全く違う機能性を持つため、その抽出法を含め、機能性成分であるカルボキシアルキルエステルについて、米国をはじめとする国際特許が取得されており、FDAから「AC-11はDNA修復機能の向上を助ける(AC-11 helps enhance natural DNA repair system)」という機能強調表示を許されたサプリメント素材だ。

スウェーデンのLUND大学名誉教授Dr.Ronald W. Pero氏は、この『AC-11』の開発者であるが、そのことよりも、DNA損傷と修復、それに関わる老化の研究について、200ほどの論文を発表している、世界屈指の分子生物学の研究者だ。

同氏が一般にまで、その名を広めるきっかけとなったのが、8年前の著作である『REVERSE AGING』。遺伝子損傷を修復することで、老化を“リバース”するという大胆な内容の書籍だ。Pero氏は本書の中で、食品として摂取された分子が、遺伝子にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしようとしている。

先日行われた講演では、76年にナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスに発表されたDNA修復がアンチエイジングの分子標的であるという論文から、30年以上続く、遺伝子損傷と修復の研究と、そこから導き出された『AC-11』という一つの回答について解説した。

老化に対する仮説はいくつかあるが、そのうち最も有力と言われているのが遺伝子仮説。遺伝子の損傷が老化を促進し、それに伴う疾病のリスクを高めているというもの。30年以上もの歳月をかけ、Pero氏の研究は、まず老化と遺伝子の関係を解明し、そして遺伝子の損傷を数値化する指標を開発、さらには遺伝子損傷の修復を行うための答えを探索している。

それらの研究結果は、全て論文発表・学術誌に掲載という形で、分子生物学や医学の学会に、公式に認められている。そのPero氏に、「DNA損傷の修復を促進する唯一の物質」と言わしめるのが『AC-11』だ。

Pero氏は、様々な遺伝子損傷・修復の評価の生化学的手法を学術誌に発表している。例えば、不定期DNA合成や核様体沈殿、DNA鎖切断の解析や血清チオールの測定などだ。『AC-11』も当然ながら、血清チオールテストをはじめとする、様々な評価法によって、その機能性が検証されている。その上で、唯一の遺伝子損傷修復を促進する物質と評価されているのだ。

遺伝子が損傷し、老化という現象が起こるメカニズムとは、どのようなものなのだろうか?ミトコンドリア内でATP産生の過程で、約10%ほどの活性酸素が発生することが知られているが、Pero氏は、グルタチオンやビタミンEなど、ラジカルスキャベンジャーは、これら全てを捕捉することは不可能で、内因性の遺伝子損傷は、細胞内で必ず起こっていると述べた。

遺伝子の損傷に対し、それを修復する酵素(PARP、エンドヌクレアーゼ、エクソヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、リガーゼの5つ)が、修復を行うメカニズムが、ヒトには備わっている。

しかし、喫煙などの環境要因や免疫機能、栄養的な要因によってこれらの酵素が、うまく働かないと、遺伝子の発現が変化し、炎症などの毒性疾患や、がんなどの突然変異性の疾患が引き起こされているのだという。

炎症はさらなる炎症反応のカスケードを刺激し、引き起こされた炎症によって、さらに活性酸素を発生させる。これらの炎症反応の引き金になっているのはNFκBという核内転写因子である。『AC-11』の優れた点は、このNFκBを抑制することで、炎症を抑制し、内因性の活性酸素の発生を抑制することだ。これまでの抗酸化剤のような、ラジカルスキャベンジャーではなく、その上流で酸化ストレスの発生を抑制する。

「DNA修復の促進」と「NFκBの抑制」が『AC-11』の大きな特徴だ。それに加え、セロトニン受容体を刺激し、気分を改善する神経性作用や紫外線ダメージを受けた皮膚の修復促進作用も確認されている。

特に皮膚の修復促進作用は、加齢と共に減少するⅢ型コラーゲンを選択的に増加させることが確認されている。Ⅲ型コラーゲンは、Ⅰ型コラーゲンと比較して、しなやかな繊維のため、肌質を改善し、シワやタルミに対しての効果が期待できる素材でもある。体内の老化だけでなく、外見的な老化を抑制するサプリメント素材でもあるのだ。

冒頭で述べたように、健食原料・素材・OEM展で行われたセミナーでは、立ち見だけでなく、会場外でもPero氏の講演に耳を傾ける来場者が詰め掛けた。近年、海外からの講演者とはいえ、これほどまでにサプリメント関係者の注目を集めたセミナーは数少ない。

『AC-11』は、今後、一般消費者の注目を集めることになることは、間違いない。アンチエイジングクリニックにおいても、絶対に見過ごすことの出来ないサプリメントになることもまた、間違いないであろう。



(JHM93号より)
Copyright (C) JAAS ACADEMY. All rights reserved.