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世界初、「立体」の「腸」作成 [JHM]

[ 2010/6/14 ]
あらゆる組織や臓器の細胞になることができるとされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腸を作り出すことに、奈良県立医大の中島祥介教授らの研究グループがマウスを使った実験で成功した。これまでは平面的なシート状のものしかなかったが、管状の立体的な腸を作ったのは世界初。患者本人の細胞から臓器を再生させ、拒絶反応なく体内に移植する再生医療や移植医療への応用が期待される。また、治療が難しい炎症性の腸疾患や、先天的な運動異常症などの病体の解明、治療法の開発にも役立つとされる。

中島教授らは、マウスのiPS細胞を液体中に浮かんだ状態で培養するなどして、管状の腸のような組織を作った。この組織は、腸に特有の蠕動運動をしているほか、粘膜や筋肉、神経細胞などが腸と同じ層構造を持っている。


幹細胞で歯周病治療

骨髄から採取した幹細胞を使って歯周病を治療することに広島大の研究チームが成功、先日、広島市で開かれた日本再生医療学会で発表した。

歯周病は細菌感染によって歯とあごの骨をつなぐじん帯が損傷し、悪化すると骨が溶けてしまう。栗原英見教授らは、30〜65歳の軽症患者11人の腰骨から骨髄液を採取し、組織を再生できる間葉系幹細胞を選別。3週間培養して増やし、ゼリー状のコラーゲンと混ぜて歯茎の中に注入したところ、6人でじん帯やあごの骨の再生が確認できた。

国内の歯周病患者は約3700万人。歯茎にフィルムを挿入して残ったじん帯を保護し、自力再生させる治療法があるが、悪化すると効果が低い。研究チームはあごの骨から骨髄を採取する方法も試みており、さらに効果的な治療法の研究を行なっている。



(JHM93号より)
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