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アーユルヴェーダの処方を応用したサプリメント『シボネン』 [JHM]

[ 2010/4/19 ]
統合医療という言葉が 日本でも一般的になりつつある。統合医療とは、西洋医療だけでなく、アロマテラピーやハーブなどの植物療法や、ホメオパシー、リフレクソロジー、鍼灸や漢方など、様々な方法を用いて(統合して)、全人的に患者を治療しようという概念である。その手法の一つにアーユルヴェーダがある。インドで5000年以上前から行われている伝承医学で、中国でいえば、中医学や漢方に匹敵し、その源流ともいえる医療である。そのアーユルヴェーダに使われる植物を用いて、処方に則ったサプリメントが発売される。本稿では、そのサプリメント『シボネン』について紹介する。


アーユルヴェーダは、インドの伝承医学として、現代でも疾病の予防や治療に積極的に行われている医療である。その大きな特徴は、その名の通りアーユス(生命・長寿)+ヴェーダ(科学・真理)という、生命の根源までを考え、自己治癒力を引き出し、疾病を予防・治療しようとする医学である。

そして、生命や長寿に対して科学するものだけに、アーユルヴェーダは、アンチエイジングと呼べるような概念をも内包している医療体系だ。内科や外科、精神科や毒物科など治療医学に加え、ラサーヤナ(強壮法科)やヴァージーカラーナ(強精法科)などのアンチエイジング医療ともいえる方法がある。

中でもラサーヤナは、体内で過剰なヴァータ(生体エネルギーの一つ)やアーマ(未消化物や活性酸素、有害ミネラルなど)、マラ(便、尿、汗など)のドーシャ(汚れ)を浄化(毒素の排泄)することで生体機能を高め、“健康維持”“アンチエイジング”を実現するものだ。

『シボネン』は、ラサーヤナに用いられるハーブを、その処方に基づいて開発されたサプリメント。もちろん、使用されているハーブは全て、インドで栽培された純粋なハーブが用いられている。

ガルシニアやニンニク、ウコン、ニガウリといった馴染みのあるものから、ビビータキーやググル、ニームやアムラなど、聞いたことも無いような植物が17種類も用いられている。日本で残留農薬試験をしたが残留農薬は検出されなかった。

機能性の検証もインドCPCSEA許可の動物施設薬理学部門で、すでに行われている。高脂肪・コレステロール食を8週間与えて肥満させた40匹のラットを4群に分け、A群をコントロールとし、B群には、『シボネン』350mg/kg、C群には同700mg/kg、D群には食欲抑制剤シブトラミンを7mg/kgを、それぞれ1日1回8週間経口投与した。試験期間中は通常のラット用飼料と水を自由摂取させている。

その結果『シボネン』は、グラフの通り食欲抑制剤シブトラミンと同様の体重抑制効果が確認されている。コントロール群の体重は、試験期間で、54.5g増加しているのに対し、『シボネン』摂取群は33g(B群)、29.9g(C群)の体重増加にとどまっており、シブトラミン摂取群の29.1gに近い値で、試験終了後の脂肪組織重量についても、同様の傾向だ。

血中コレステロールは、A群が試験前124mg/dl試験後119.1mg/dlだったのに対し、『シボネン』摂取群は、B群119.1→96.4、C群118.8→94.7と改善している。D群では103→94.89の変化となっている。

血中アディポネクチン濃度は、『シボネン』摂取群では、用量依存的に増加している(B群16.77μg/ml→18.32μg/ml、C群15.53→19.42)。
動物実験後、ラットを屠殺 し、腹部と精巣上体の脂肪重量が測定され、『シボネン』摂取群の脂肪重量の減少が確認されている。

これらの結果は、『シボネン』がアンチエイジングおよび、メタボリックシンドロームの予防に活用できるサプリメントであることを示唆している。
また、金沢医科大学大学院では、ヒトに対しての安全性を見るために10名のボランティアを対象に試験が行われている。『シボネン』を1日6錠と12錠を摂取する2群で、2ヶ月間の摂取で、安全性が確認されている。

その後、モニター試験が行われ図のような内臓脂肪や腹囲の減少などと共に、血行の改善や肩こり、腰痛、むくみ、冷え性、便秘、クスミ(美白)、不眠症、疲れ、口臭が解消し、疲れにくくなる、体温が上昇したなど、ドーシャの浄化に伴う改善効果・アンチエイジングが、体感として挙げられている。

このモニター試験では、軽い運動を心がける、暴飲暴食を避けるといった、アーユルヴェーダのラサーヤナのエッセンスを取り入れた形で行われている。

実際のアーユルヴェーダは、時に過酷な施術なども行われるハードなものであり、日本人に完全に受け入れられるか疑問もあるが、『シボネン』というサプリメントをきっかけに、その効果を体感することで、アーユルヴェーダの良さを知ることが出来れば、より興味が増すことは間違いない。

統合医療クリニックにとって、本格的なアーユルヴェーダにいきなり挑戦するよりも、『シボネン』を用いた日本人に向いたアーユルヴェーダのテクニックは、簡単に導入できる統合医療メニューとして、お勧めできるものだ。



(JHM92号より)
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