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第3回「キャビテーション・セラピー」

[ 2010/3/9 ]

松寿会松山医院 松山淳MD提供


顔、腹部・ウエスト、デコルテ、二の腕、大腿部、ふくらはぎ、と部分痩身を望む患者は多い。美容医療ではレーザー、フォトセラピー、高周波などを使ったマシンや、脂肪吸引やボトックス、メソセラピーによる施術など、いくつかの治療メニューを組み合わせて、こうした痩身需要に応えるクリニックも少なくない。しかし限られた顧客層から、クリニックに気軽に門をたたく初心者が増え、その需要は裾野を広げてきたことから、できるだけ「低侵襲」の治療へと移り変わっていかざるを得ない。〃痛くない、でも効果は目に見えるほどわかる〃そんな声を反映してか?、クリニックは部分痩身の治療にもそうした願望を満足させられる施術法を求めている。その答えのひとつして話題を集めているのが、新・メディカルダイエット法ともいわれるキャビテーションセラピーだ。


キャビテーション理論を熟知し、いち早く自らのクリニックで臨床に応用してきたのが久保田 潤一郎MDである。
「世界的に定着する技術であることは間違いない」と話す同医師、脂肪吸引に替わる痩身術と太鼓判を押す。

その理由は、機械の価格もリーズナブルで、薬剤など必要としない。また施術も簡単で、腹部に塗ったジェルの上をハンドピースで滑らせるだけ。医師が施術を行なう一方、コメディカルスタッフもできることから治療費は、脂肪吸引に比べおよそ3/1と患者にとってはありがたい。

気になる満足度(効果)はというと、同じ部位を1ヶ月おきに2回やればわかるという。久保田MDが導入するキャビテーション装置はスイス製『NOVASHAPE』(ULTRA MED社)である。

一方、このキャビテーションとRFの複合機としてにわかに注目され始めたのが、アーティスティックの『Explode-Lipo Pro』。RF(ラジオ波)は、アンチエイジングや美容医療にかかわる医師からはすでに認知は高い。周知のとおり、内部を加温する機能を持っている。RFは脂肪細胞の温度を上昇させることで、内部の脂肪をやわらかくし、キャビテーションの効果(内部に渦を作り、脂肪を破壊しやすくする)を向上させる。

また、破壊された脂肪細胞からは、中性脂肪が細胞外へと放出される。その中性脂肪は、そのままにしておけば、また体脂肪となってしまうが、RFによって代謝を高め、遊離した中性脂肪を燃焼させてしまおうというのが、この装置のコンセプトだ。

こうしたコンセプトや細かい設定の操作面でのユーザーインターフェイスについては、JSCAM理事長の松山淳MDが指導にあたる。また実際に群馬前橋の松寿会 松山医院に設置され、臨床をスタート。〃痛みを抑えながら、効果をだす〃報告が出ている。

アーティスティックでは、医療機関に限らず歯科でも、非医療という位置づけで「デンタルエステ」の施術メニューにこの部分痩身の装置を提案しており、JSCAMの講習会で数回にわたりデモ実演を実施。医師、歯科医から反響を呼んでいる。

キャビテーションそしてRF—いずれも限りなく非侵襲による治療でありながら、超音波、ラジオ波という確かな振動、共鳴理論
のもと生体内での作用機序を確認され、目に見える施術効果をもつことから、今年、美容医療の世界で広がりをみせることは間違いない。


【キャビテーション】

『キャビテーション』とは「液体の流れの中で圧力が変化することで、発生する気泡が物体を破壊してしまう現象」で、美容での『キャビテーション』では、特異的な超音波の周波数を体外から与えて、脂肪細胞中の水分や細胞外の間質液を共鳴させて渦を作り、そこに発生する気泡によって、脂肪細胞の細胞膜を破壊するという技術だ。

これまでの脂肪吸引代替法との最大の違いは、単純に物理的な力のみで、脂肪細胞を破壊することで、その他の方法のように、大なり小なり化学的な反応が介在していない。そういう意味では、脂肪吸引に最も近い方法と言えるかもしれない。

また、これまでの方法の多くは“熱”がキーになっていたが、『キャビテーション』においては、熱を発生させないことが技術の一つとなる。超音波が熱に変換されずに、水分の共鳴と気泡の発生のために体内で変換することが求められている。熱や痛みをなるべく軽減しつつ、脂肪細胞膜を破壊することが、『キャビテーション』機器に求められる機能である。



(JHM91号より)
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