JAASアカデミー
TEL
お問い合わせ
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

JAASアカデミー

一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

TEL

お問い合わせ

経験不足から起こった 脂肪吸引事故 [JHM]

[ 2010/1/28 ]
美容医療は「低侵襲治療」の時代に

部分痩身の新たな担い手は
キャビテーション

アーティスティック『Explode‐Lipo Pro』が注目あつめる



脂肪吸引の手術を受けた70歳の女性が数日後死亡、業務上過失致死の疑いからクリニックに対してその手術法やその後の処置などに問題はなかったか?警視庁が捜査を行なった。死因の特定はまだ明らかになっていない。しかし、吸引術の未熟さが引き起こしたケースだとする指摘が、一部の専門医からはあがっている。ともすると美容診療を機械に頼らざるを得ない傾向が強い。それが、侵襲を伴う整形術の腕をみがく機会が日本では年々減り、とりわけ若手医師たちの経験不足を生んでいるとする声は少なくない。一方で今、美容整形を望む顧客の裾野は広がりをみせるなか、勢い低侵襲の治療がクリニックの施術メニューの主流となっている。女性層からのニーズが高いダイエットでは、脂肪吸引術に替わるメソセラピー、ポレーションなどが低侵襲の治療術としてここ数年支持されてきたが、ここにきて新たなメディカルダイエット法が注目されている。それがキャビテーションによる部分痩身法である。




松山医院での研修でデモ実演された「Explode-lipo Pro」
参加した医師がモデルとなって体感した。



キャビテーションは、今年にはいり、JSCAM日本臨床抗老化医学会の講習会でも話題を集めている。先ごろ開催された第7回東京アンチエイジングフォーラムでも、この治療術の日本のパイオニアである久保田 潤一郎MDが臨床症例をもとに発表した。
フォーラムの展示会場でも、キャビテーション理論を応用した装置がいくつか並んだ。
そのうちの一つが、アーティスティックの『Explode-Lipo Pro』。この装置、キャビテーションとRFの複合機として参加した医師から注目を集めた。
RF(ラジオ波)は、アンチエイジングや美容医療にかかわる医師からはすでに認知は高い。周知のとおり、内部を加温する機能を持っている。RFは脂肪細胞の温度を上昇させることで、内部の脂肪をやわらかくし、キャビテーションの効果(内部に渦を作り、脂肪を破壊しやすくする)を向上させる。
また、破壊された脂肪細胞からは、中性脂肪が細胞外へと放出される。その中性脂肪は、そのままにしておけば、また体脂肪となってしまうが、RFによって代謝を高め、遊離した中性脂肪を燃焼させてしまおうというのが、『Explode-Lipo Pro』のコンセプトだ。
こうしたコンセプトや細かい設定の操作面でのユーザーインターフェイスについては、JSCAM理事長の松山淳MDが指導にあたっており、群馬前橋の松寿会 松山医院に設置され、臨床症例が集っている。
同社では、医療機関に限らず歯科でも、非医療という位置づけで「デンタルエステ」の施術メニューにこの部分痩身の装置を提案している。

【キャビテーション】
キャビテーションは、これからの美容医療のトレンドとなることは間違いない。改めて説明すると、キャビテーションとは、本来は流体力学で用いられる用語で、「液体の流れの中で圧力が変化することで、発生する気泡が物体を破壊してしまう現象」。スクリューやポンプなどが破壊される原因の一つとして知られている。
それを応用し、超音波で脂肪細胞内の水分を共鳴させ、その力で脂肪細胞を物理的に破壊してしまおうという施術だ。美容外科医療での脂肪吸引の代替法として、部分痩身に導入が進むと言われている。
施術方法は非常に簡単で、痩せたい部分に塗ったジェル上に、プローブを滑らせるだけ。特別な動かし方などは必要ない。また、キャビテーションは、超音波を用いているため、施術を受けている本人のみが、体内反響で非常にうるさい思いをする。それが返って施術を受ける者にとっては、結果を期待させる効果を生んでいる。
アーティスティックの『Explode-Lipo Pro』には、このキャビテーションに加えて、RF(ラジオ波)の機能が付加されている。



(JHM90号より)
Copyright (C) JAAS ACADEMY. All rights reserved.