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抗老化処方のための機能性素材アスタキサンチン③ [JHM]

[ 2010/1/26 ]
アスタキサンチンのクロスオーバー能力と美容革新への道

富士化学工業株式会社メディカルニュートリション事業部
執行役員事業部長 西川浩司


エビデンスの豊富な抗酸化素材であるアスタキサンチン。その短期集中連載3回目は、体内動態と、身近なアンチエイジング「美容」について。目や疲労のエビデンスと共に、アスタキサンチンは、紫外線によって生じる一重項酸素の消去能力に優れ、皮膚の光老化の抑制機能が知られている。アスタキサンチンのユニークなクロスオーバー機能について、解説していただく。


医療機関専用に流通する富士化学工業のアスタキサンチン・サプリメント。
眼科領域や抗酸化のみならず、スポーツや美容にも活用できる、クリニック・サプリメントだ。


アスタキサンチンは地球上の生物進化とともに生じてきた、カロテノイド合成の最終産物です。アスタキサンチンとは、すなわち酸素と紫外線の両者から身を守るようにして、環境の変化に  適応して進化を続けてきた生物たちにとって生き残るためのいわば「サバイバルツール」。

アスタキサンチンは活性酸素種(ROS)を捕捉・消去しますが、「強い抗酸化力」だけに留まらず、感染症や慢性疾患を除く生体の状況に対して「抗炎症」、「生体膜の抗過酸化」というユニークな生理活性を発揮し、予防力や改善支援能力を忠実に発揮してくれます。広い範囲の予防面に有能なだけではなく、美容の施策を防衛面で革新すると高く評価され大いに期待されています。環境と生物達の闘いといえば、現代女性の美容と健康にとっても切実な、紫外線との闘い=シミやシワの多発を防ぐための素肌の「抗・光老化」とも共通しています。

アスタキサンチンは分子構造や分子量のおかげで体内をスムースに循環でき、血液脳関門を通過して眼の周辺の抗酸化を行い、ブドウ膜を護ります。このことは、眼科領域における多くのヒト臨床試験の蓄積が証明してきたことです。「健康な膜を維持するチカラ」がアスタキサンチンにはあります。ここから、素肌、特に真皮の毛細血管にも円滑に循環して紫外線による真皮を「光老化」から防護することが容易に想定できます。実際には様々なヒト臨床試験(飲用・二重盲検を含む)で、肌の性状改善成績がこのことを十分に証明してくれています。現在「飲用でも塗布でも」美容を革新する材料として期待が集まっています。

現在、アスタキサンチンはその安全性とユニークな特徴から、抗酸化サプリメントとしての地位を着々と築きつつあり、医療界では眼科領域を皮切りに皮膚科・美容外科・産婦人科・内科・歯科の各領域、そして抗加齢医学・スポーツ医学領域での採用が続いています。医師をはじめ院内スタッフの「働く元気建設」のために熱心に活用されていることも特筆に値するでしょう。

アスタキサンチンは脂溶性色素として小腸で吸収の後、門脈を経てリポタンパクと結合した形でリンパ系を巡りながら各臓器・組織に分配され、再び肝臓を経て血中に単体として遊離・放出されます。体の隅々まで行き届く物質なのです。約3日近く体内に留まった後、特定の場所に蓄積されることなく便と共に体外に排出されます。この安全性と、ゆったりとした丁寧な動態から「スローサプリ成分」とも呼べます。

アスタキサンチンサプリメントのクロスオーバーな抗ストレス能力はこれまでの一般栄養素とは異なる新しい魅力です。カロテノイドの最終完結形の物質としてのアスタキサンチンは、安全性と多機能性から評価して、将来にわたって、永く私達の健康づくりと美容をクロスオーバーに支援し続け、一方でさらに画期的な活用方法が開発されるものとして 注目を浴び、熱い期待を集めています。



(JHM90号より)
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