開業医ほど素敵な仕事はない
横山博美他著

男性更年期という概念で広くメディアに紹介される、医新会理事長の横山MD。最近の弊紙やJSCAMの講演では、幹細胞を用いた再生医療の論説や講演に触れることも多い。
その横山MDのルーツが『ピザパイ・ドクター』とは知らなかった。この名前は、宅配ピザ屋さんの使う屋根付きの三輪バイクで在宅診療を行っていたことから付けられたニックネームだそうだ。
10年前に取材されたというこのエピソードを基点に、その後の10年間の横山MDの足跡が、医療ジャーナリストとの対談で浮き彫りにされていく。
そこには、男性更年期のことも、幹細胞のことも触れられてはいるが、その裏にはこんなエピソードが隠れていたのか！と驚くことばかりである。
タイトルの通り、開業医という仕事が素敵に思える一冊だ。
人間と歴史社：本体価格1600円。





ずぼらちゃんの美肌バイブル
松村圭子著

ページをめくると、漫画に続き、イキナリ「女性ホルモンつゆだく宣言」である。「つゆだく」は牛丼屋で汁を多めに盛ってもらう特殊な用語だと思っていたのだが、既に若い女性にとっては、一般用語として用いられていたのかと、軽いカルチャーショックを受ける。
本書は、らら女性総合クリニック院長　松村MDによる著書で、自らも「ずぼら」とカミングアウトし、堅苦しいテキストではなく、あえて頑張らないで美肌になるための本である。そのため、各章立てはコンパクトで、シンプルな単語で解説してあり、松村MDの日常の診療のフランクさが伝わってくる。
もちろん、内容は生理周期に変化する女性ホルモンに対応したケアをすることで、美肌をつくるという、至極まっとうな内容であることは言うまでもない。
一般向けに書かれているだけに、最近の若い女性の平均像を捉え、その生活に切り込むインフォームドコンセントに悩む、とりわけ男性医師には最適の教科書と言える。
ソフトバンククリエイティブ：本体価格1300円。





（JHM90号より）