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美容整形は「侵襲術」が登竜門 [JHM]

[ 2009/8/17 ]

Dr.choによる眼瞼形成のオペには日韓の医師が多く集まった


先ごろ、KSAS(大韓民国美容外科学会)主催による、Cadaver Dissection Workshop(寄贈検体による美容外科実習トレーニング)が、中国大連の地で開催された。KSASから30名あまりの若手美容整形医が参加、日本からも通訳の医師を含め5名のドクターがこのミッションに加わった。日本ではむずかしいフレッシュな寄贈検体を用いて美容整形のスキルを実際のオペ感覚で習うこのトレーニングには、韓国側からの参加者の多くが名門医学部の出身で、従来医療からの転身組が目立った。一方、日本からは、美容整形のスペシャリストに加え、眼科や形成外科医もこの実習に参加し、日本で需要が高い眼瞼形成術や切開によるフェイスリフトのテクニックを学んだ。2日間にわたり、KSASから要請された美容整形の指導的な医師が、講義とマンツーマンの実技指導が行なわれたが、韓国ではこうした侵襲を伴う整形術をまずマスターすることが美容整形医となる登竜門と捉えられている。このミッション、中国や東欧で毎年2回行われており、年々参加者は増える一方で、検体の事情はあるものの秋にも今年2回目の開催が予定されている。7月には、日本窓口としてまた本紙JHMからの募集が始まる予定だ。



解剖実習には総勢30名を超える医師が参加。指導医によるオペの
伝授と共に、2人1検体で希望する部位の施術トレーニングが行なわれた。



韓国側からの参加者30名あまりの多くがソウル大、延生大、慶熙大、カトリック医大などの医学部の出身で、従来医療からの転身組が少なくない。背景には、日本同様、曲がり角を迎えた公的医療保険制度の歪みで、医療側の収支バランスが崩れてきているという。
一方で、こうした転身医師の参入で、さらに競争は激しさを増すばかりの韓国美容整形の実情といえよう。
勢い、スペシャリストとしての腕を磨き、独自の施術を研究し実践する。また参入する医師のほとんどが美容整形のビギナーであることから、このCadaver Dissection Workshopに競って参加し、実際のオペレーションを検体で試していく。
「7年前に日本の美容外科学会に追いつこうと有志で発足したKSASですが、すでに1000名を超える医学会になりました。経験者が惜しみなく後進のドクターにスキルを教え指導していくことが韓国美容外科の発展になると信じて続けてきた成果だと思います」(KSAS発足人の前会長・Kairosクリニック院長 林 鐘學医師)
そんなKSASが重視しているのが、侵襲を伴う整形術をまずマスターすることこそ美容整形医の出発点だとして、その後非侵襲の施術がスペシャリティとなっても侵襲法の施術を基本と捉えている。

韓国の医学部で学ぶ解剖学の講義と実習は日本の2倍以上の時間をさいているといわれ、その韓国でも卒業後、こうした検体実習を重ねなければ、オペはできない。
もちろん、その需要は日本とは比較にならない。最も密集するソウル江南区(新市街)には100軒を超える美容整形クリニックがあり、美容皮膚科も加えればこの軒数を優に上回る(KSASによれば、ソウル市内だけで1000軒はあるという)。そんな林立するクリニックに対して整形ニーズは高い。最近明らかになった韓国の有力雑誌のアンケートでは、20-30代の女性1000名の実に76%が何らかの美容整形を受けたと回答している。日本でも見受けられる「芸能人志向」は韓国でも同じだが、今や、その芸能人が美容整形について告白することもめずらしくないことから、需要は根強いという。
現地・大連では、一日目にSanglilaホテルで、今回の指導にあたる医師からそれぞれ、眼瞼形成、フェイスリフト、鼻形成についての解剖学とその症例が講義された。そして、2日目に、二人に対して1検体を用意した実習場でトレーニングが行なわれた。それぞれ希望するオペの部位に沿って、自前の手術用具を使って指導医からのマンツーマン施術が進行していった。

今回の検体は、KSASとの協力関係から大連医科大学の整形外科教授が用意し、顧問として経営にも参加する大連鴻峰生物科技有限公司で、実習が行なわれた。
日本からの参加者からは
「日本では鼻整形の需要は低いが、実際に韓国から参加した医師の多くが鼻整形の実習を行なっていることに驚いた」と感想をもらす一方、韓国で最近注目されてきた新たな鼻整形術に関心を示しながら、次回には個別トレーンングを希望する医師もいた。
また、眼瞼形成で独自の解剖理論と施術を実践している指導医・Choi医師の周りには、日韓の医師らが大勢取り囲み、上瞼・下瞼の形成術の手技を目の当たりにした(本紙JHMでは同医師による眼瞼形成術のマスター講座を今秋開催する予定)。
「日韓の交流をもっとしていきたい。医学会として友好関係を築きながら、講演だけでなくこうした検体を使った実際のオペレーションに多くの若い医師を集めていきたい」と、林医師。

ともすると、美容診療を機械に頼らざるを得ない傾向にある日本でも、こうした機会を経験しさえすれば、
施術の腕は磨くことは可能で、またこうした手技をマスターすることが韓国同様、クリニックに独自性と差別化をはかる大きな起爆剤となることは言うまでもない。
また、美容整形という自由診療であるからこそ医師の責任はより重い。そして患者への良質で安全な美容施術を行なうためにも、時間を惜しまず自らのスキルを磨くことが大切であろう。
検体の事情はあるものの秋にも今年2回目の開催が予定されている。7月には、日本窓口としてまた本紙JHMからの募集が始まる予定だ。




(JHM86号より)
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