理化学研究所は、エストロゲンに記憶や学習などの能力を改善させる効果があることを米科学誌に発表した。
遺伝子操作によって慢性的な脳の血流量が減少するマウスで、卵巣を切除したメスとオスには神経細胞周囲のアストロサイトという細胞が膨張することで、神経のつながりを阻害し、記憶障害が起きるのだという。
また、同様のマウスのオスにメスと同レベルのエストロゲンを投与すると、脳血流が回復、神経細胞のつながりも正常になるという。
理化学研究所の研究チームは、老化によって血流が減ることに起因する記憶障害を、アストロサイトの膨張を防ぐことで予防や治療できるのではないかと報告している。



（JHM84号より）