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一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

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[JHM] アンチエイジングの標準検査となるFMD②

[ 2008/6/21 ]

アンチエイジング診療を行うクリニックのほとんどでは、初期の検査・診断に特色が見られている。4月から開始した特定健診・指導制度も関わり、メタボリックシンドロームなどの予防を目的とした検査・診断で様々な検査機器が活躍している。
メタボリックについての検査といえば、血管についての検査が考えられる。血管の形態と機能の変化を調べるのは2種類に分けることが出来るが、1つはIMT(頸動脈壁厚)、眼底検査、血管造影、CTなどで、形態的変化としてのアテローム性の動脈硬化の病変を見つけることが出来る。もう1つは、腕と足首の血圧脈波の速さ(脈波)から、血管機能の変化をみるPWV(脈波伝播速度)で動脈硬化の進み具合がわかる。
これまでアンチエイジング・予防の検査として、動脈硬化の場合にはPWVが用いられていたが、最近新たな検査方法により、PWVより川上で動脈硬化リスク度を測定する機器が出てきた。
それがユネクス社のユネクスイーエフ。ユネクスイーエフは「血流依存性血管拡張検査(FMD)」と呼ばれる検査を行う機器である。
 FMDは、PWVやIMTでは計測できない初期から動脈硬化リスクの発現を計測できるうえ、PWVやIMTによる動脈硬化リスクの進行にFMDは相関する。検査方法は、動脈血管を安静時と5分間圧迫後の2回計測し、それぞれ内径を比較することで動脈硬化の進行を推察する検査方法である。
 通常、安静時の内径は、男性4mm、女性3mm程度である。圧迫後、安静時の内径と比較して5〜7%以上拡張すれば動脈硬化ではないとされ、拡張率が低いほど、つまりFMDの値が低いほど動脈硬化のリスクが高いとされる。
 この血管拡張に関わっているのが血管内皮細胞。本紙でも度々取り上げているが、内皮細胞の機能は動脈硬化の病態に深く関与している。血管径の広がり具合は血管内皮機能を鋭敏に反映することが出来るため、動脈硬化の危険因子が、どの程度動脈硬化に関与しているのかを客観的に測ることが出来る。

(JHM74号より)

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