新規アンチエイジング素材続々③
抗炎症素材といえば、欧米のアンチエイジング医療では、オメガ3と共に、積極的に活用されているクルクミン。日本でもウコンの抽出物に含まれていることから、その名は知られているが、欧米で活用されているのはウコン抽出物というよりも、医薬品グレードにまで抽出されたクルクミンで、日本のウコン抽出物とは、別物といっていい。その高濃度クルクミンが、ついに日本でもデリバリーされる。
米国でUCLAの研究でも活用されているサビンサ社の95%高濃度クルクミンのデリバリーを開始するのは、テルヴィス。同社は医療機関を対象に、無料サンプルの配布を開始する。
欧米のアンチエイジングでは、高感度CRPやアラキドン酸とEPAの血中の比率を参考に、体内の微細な炎症状態を把握し、オメガ3やクルクミンを活用している。こうした例では、クルクミンの摂取量として、500〜1000mgが推奨されている。
発売元のテルヴィスは、無料サンプルの配布とともに、提携できる医師も捜している。抗炎症によるアンチエイジングのアプローチや、肝臓の保護、動脈硬化、また、UCLAの研究では、認知症に対しての効果も示唆されており、その用途は幅広い。日本の医療機関でも積極的な活用が望まれるサプリメントといえる。
また、変わったところではユーグレナという微生物素材がある。クロレラやスピルリナなど、微生物を用いた健康食品は歴史が長く、日本でも定着している。ビール酵母を用いたものも薬局などで盛んに販売されている。
ユーグレナは、細胞壁がないという動物細胞の特徴と、葉緑素を持つという植物細胞の特徴を併せ持つ微生物で、両方の長所を併せ持つ健康食品素材といえる。
中でも特徴的なのはパラミロンと呼ばれるβ-1.3-グルカンが3重らせん状に重合した物質を含有していること。これは難消化性の食物繊維だ。
こうした新規のアンチエイジング素材は、一般の市場では、全く機能や目的を説明できない。医療機関であれば、ある程度、エビデンスを示すことができるのである。一般市場でブレイクする前に、医療機関での活用をお勧めする。
(JHM 第70号より)